JSS利用成果
ここでは、最新のJSS利用成果をご紹介します。
- H3ロケットの射場解析: H3ロケット射点内部の噴流流動に与えるエンジン配置の影響
- イプシロンロケットの数値解析: マッハ数1.5におけるイプシロンロケットの数値シミュレーションと風洞実験
- LE-Xエンジンの解析: LE-Xロケットエンジン全系ハザード解析
- 航空機の数値シミュレーション: 航空機周りの空力解析
- D-SENDプロジェクト: 静粛超音速機(D-SEND#2)の数値シミュレーション
- 航空機のバフェット解析: 航空機の高迎角剥離流の非定常解析
- FQUROHプロジェクト: 機体騒音低減技術の飛行実証:FQUROH
- aFJRプロジェクト: aFJR(高効率軽量ファン・タービン技術実証)プロジェクト
- EFD/CFD融合の研究活動: 模型変形計測データを反映したCFD解析
- 回転翼機の空力解析: 回転翼を持つ機体の空力解析
- 人工衛星 – EORC: 全球雲解像数値大気モデルによるエアロゾルの解析
- 人工衛星 – SAOC: 衛星データの高速処理
- 乱流の解析: 乱流境界層の直接数値シミュレーション
解説:数値シミュレーションとは?
宇宙航空分野の実験が困難な現象を計算で解き明かす技術です
研究開発に欠かせない技術の一つである「数値シミュレーション」とはどんな技術なのか、「ドクター・エアロ」「スパコッコ」が簡単に解説しましょう。
宇宙航空分野の研究開発では、いろいろな物理現象を解明する必要があります。その解析にスーパーコンピュータの計算能力を利用する技術が「数値シミュレーション」です。
数値シミュレーションが利用される分野はさまざまです。例えば、機体周りやエンジン内部などの空気の流れを解析する「計算流体力学」、機体の変形や破壊などを解析する「構造解析」、音の発生の仕組みや音の伝達を扱う「音響解析」などがあります。
ここからは、JAXAの研究開発の多くで重要な計算流体力学をもう少し詳しく見てみましょう。計算流体力学(CFD: Computational Fluid Dynamics)が活躍する分野には、超音速での飛行状態や宇宙に近い場所の非常に空気の薄い空間など、地上で再現が難しい現象や、ごくごく小さい現象など風洞実験や観測が困難な分野での解析があります。解析のイメージは、スーパーコンピュータ内に計算によって仮想実験装置を作りだし、その中で宇宙機や航空機を飛ばして、飛行中の物理現象を再現させるというものです。まだ現物の存在しない開発中の機体を飛ばすこともできます。これによって、実験・観測が困難な現象でも研究開発を進めることができます。
計算結果の信頼性を向上させるために、風洞実験結果と比較しています
計算で求めた結果が正しいかどうかを判断するには、現実の現象や実験の計測値と比較し検証しなければなりません。現在JAXAでは、風洞実験と並行して計算流体力学の研究を進め、実験で得られた計測値と計算の結果を比較しています。その検証結果を元に、より高精度の数値シミュレーション技術を開発しています。