航空機の数値シミュレーション
航空機解析コア技術開発
航空機の開発には、実機フライト環境を忠実に再現したうえで、設計や運用における重要な課題を解決し、格段の効率化、高性能化、安全性向上を実現するコア技術を確立が必要です。また、実機飛行試験など、開発が進んでしまった段階でしか評価できない設計課題の評価を設計初期段階で評価可能とする技術の開発や、失速特性の高精度予測の実現、非線形飛行力学の導入による航空機の飛行制 御技術の抜本的な改善、高度なシミュレーションの活用による高度運航制御モデルの開発なども今後の重要な課題となってきます 。
それらの課題に挑戦するため、高解像度な高精度圧縮性解法, 壁面形状モデル, LES (ラージ・エディ・シミュレーション)壁面モデルを開発しています。
図1:航空機周りの計算格子
図2:降着装置の物体表面形状の解像度
それを用いて、実機詳細形状(JSM_CRM_LEGモデル)に対して埋め込み境界を用いた試計算を実施しました。図1で示すのは JSM_CRM_LEGモデルを対象とした計算格子です。 図2はソルバー内で表現された降着装置の物体表面形状です。格子解像度の向上にともない物体表面形状の再現性が向上していることがわかります。図3では マッハ数が0.2, レイノルズ数が106、迎角が7度の計算例です。この図では空間の渦度を表しています。
非常に高解像度な計算格子の使用により、高揚力装置や脚の周りも高い精度で渦の形状を確認することができます。
図3:マッハ数が0.2, レイノルズ数が106, 迎角が7度の計算例
航空機周りの流れの数値シミュレーション結果