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H3ロケットの射場解析

H3ロケット打ち上げ時の射場周りのシミュレーション

o19_h3-launch-vehicle_j001

日本の次期基幹ロケットとなるH3ロケットのリフトオフ時に、エンジン排気噴流と射点の干渉によって発生する音響波の発生・伝播メカニズムを解明するため、数値シミュレーション技術が活用されています。

メインの液体燃料エンジン2基と、固体ブースター4基から噴射された排気ジェットをボリュームレンダリングの技法で可視化しています。また、音響波を圧力分布で表示しており、その影響が発射後に上昇を続けるロケット本体にまで届いている様子がわかります。

 

H3射場の音響解析シミュレーション

Acoustics study of H3 rocket picture01

密度の等値面表示

 

ロケット打ち上げ時のエンジンノズルから噴出する高温・高速のプルームは非常に大きな音響波を発生します。この音響波はフェアリング内部に搭載された衛星などを激しく振動させる恐れがあるため、音響振動の予測と低減は設計上の重要課題となっています。このロケット射場の音響観測を正確に行うためには、ロケット射場の複雑な形状の乱流解析と音響解析が必要です。

 

この研究では、形状適合性に優れマルチスケールの渦・音響波の解像度が高い高次精度の非構造格子法を開発しました。これを使って,H3ロケットのクラスタ化した一段エンジンから噴射されるジェットのラージ・エディシミュレーションを行いました。

クラスタ化による音響特性変化のメカニズムはまだ十分に明らかになっていませんが、音響環境を正確に予測するにはジェット間の相互作用を考慮することが重要です。

 

メインブースターからの噴射を密度分布で、音響振動の伝播を圧力分布で表しています。

重合境界における非物理的な数値振動などは見られません。また、圧力場を見ると、ジェット近傍から発生する音波と発射台に当たって反射する音波が捉えられています。

 

クラスタ化による音響特性変化のメカニズムについて、現在CFD結果を利用した解析を進めています。

 

 

 

Acoustics study of H3 rocket picture02
H3射場の計算格子

 

Acoustics study of H3 rocket picture02

y=0面の密度分布と表面圧力分布

 

H3ロケット射場における落ち上げ音響解析

 

H3ロケット射点内部の噴流流動に与えるエンジン配置の影響

Jet flow of H3 Rocket picture: Case 3 full

H3ロケットのメインエンジンと固体ブースター組み合わせによる発射噴流への影響解析

 

2020年の初飛行に向け開発が進められている我国の新型基幹ロケットH3は、小型から大型までの多様な衛星打上げ需要に応えるため、メインエンジンである液体ロケットエンジンと固体ロケットブースタの基数を柔軟に変更することが可能となっています。メインエンジンは液体酸素/液体水素を燃料とするLE-9エンジンを2基、もしくは3基をクラスタ化し、固体ブースタは0,2,4基と組合せます。射点設備は宇宙航空研究開発機構(JAXA) 種子島宇宙センタにあるH-IIBロケットで使用中の大型ロケット発射場 第2射点(LP2)を改修して利用する予定ですが,打上げコストやライフサイクルコスト低減、打上げ期間の短縮のために運用性を重視し、H3機体に合わせた移動発射台(movable launcher, ML)を新規開発中です。

射点設備の設計に際しては、運用性向上の他に、強度・剛性、ロケットエンジンの噴煙に起因した熱空力環境や機体に対する空力音響環境などの様々な要素を考慮する必要があります。もともとLP2射点はH3ロケットで採用予定のエンジン基数を考慮した設計にはなっていないので、さらにH3では既存のH-IIA/Bロケットよりもエンジン配置が複雑になることから、射点の熱空力環境に対する影響を理解し,機体設計や射点設備設計に反映する必要があります。

近年、数値流体力学(CFD)を利用した噴煙流れ解析が実施されていて、また実機でもディフレクタに与える熱空力環境を計測する活動も世界では実施されています。

JAXAではH3ロケットの機体・射点設備設計に向け,柔軟に変更するエンジンの基数と配置が射点内部の噴流流動に与える影響をCFDを用いて調べました。

ケース1、ケース2で、メインエンジンの液体ロケットエンジン3基と、固体ブースターを2基を2種類の配置で噴射した場合の解析です。ケース3はメインエンジン3基に固体ブースターを4基配置した場合の解析です。

メインエンジン3基からの噴流を赤色で、固体ブースターからの噴流を緑色で示しました。

ケース1ではメインの液体ロケットエンジンからの噴流は固体ブースターからの噴流と干渉し、下流に流れるのではなく射場煙道内の上流に吹き上がる流れが発生しているのがわかります。

Jet flow of H3 Rocket picture: Case 1

 

ケース2ではメインエンジンからの噴流と固体ブースターからの噴流が射場煙道に沿って綺麗に流れています。

このように固体ブースターの配置には、ブースターからの噴流の流れがメインエンジンの噴流に影響を与えないことを考慮する必要があることがわかります。

Jet flow of H3 Rocket picture: Case 2

 

ケース3は固体ブースターを4基配置した解析で、お互いの噴流が干渉せずに、綺麗に流れていることがわかります。

Jet flow of H3 Rocket picture: Case 3

 

H3ロケット紹介サイト

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