2022年度 JSS利用概要
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月~2023年1月)
JSS3利用概要について、報告します。
■JSS3運用期間:2020年12月1日~
※JSS3の主な諸元は、補足1を参照ください。
ジョブ充填率推移
JSS3の大規模プログラム化傾向
利用枠組み別の利用傾向
利用枠組み
利用枠組みは5つに分類され、それぞれの枠組みに適した利用率保障、ジョブの実行優先度制御が設定されており、研究開発成果の最大化を効果的に実現している。
FY2022の利用枠組み別リソース配分を表2に示す。
利用枠組み別のFY2022実績
重点利用課題の実績推移
FY2016に開始した「重点利用の割合50%以下」という一般利用を圧迫させないためのルールをFY2021に初めて超過した。FY2022は50%を超えた重点利用課題に対して、ジョブの実行優先度をきめ細かく制御した効果がでている。
部門別の実績
宇宙輸送技術部門はFY2021から20%以上の利用であり、毎年40%以上を占める航空技術部門から宇宙部門に広がっている。
課題別の利用実績
上位20課題で全体の71%を占めている。また、H3ロケットプロジェクトが全体の約20%を占めている。
FY2022利用試算経費
利用試算経費とは、利用量をノード利用単金を用いて表した仮想経費である。
部門別では、航空技術部門48%、宇宙技術輸送部門20%の二部門で68%を占めている。事業別では、H3ロケットプロジェクトが約20%と突出している。
可視化技術
可視化技術は、計算結果をより正確にできるだけ早く解析するために必須の技術である。スーパーコンピュータ活用課では、JSS3/TOKI-RURIに各種可視化ツールを用意しており、利用者は研究内容に合わせた可視化を行うことができる。
● 大規模計算結果の可視化
計算結果がある程度以上のサイズになり通常の可視化環境で可視化できなくなる場合には、可視化チームが適切な方法をアドバイスしている。複雑な大規模模可視化の例を下図に示す。
図8: 航空機解析コア技術開発
図9: H3ロケットの打ち上げ時の
射場周りのシミュレーション
● 可視化の新技術
新可視化技術の利用を進めており、3Dプリンタを利用した立体的可視化技術は、数値シミュレーション結果を立体化することにより、今まで理解しづらかった複雑な流れの形状でも直感的に把握することが出来る。
図10: 透明樹脂を使った3Dプリンタモデル
(航空機ランディングギア周り)
(航空機のバフェット解析)
MR(Mixed Reality)技術を使った可視化技術は、3次元ホログラムの数値シミュレーション結果を特殊なデバイスに表示させることにより、複数の研究者が多点間から同時に同じ計算結果を確認することを可能とする。
図12: HoloLens2を使った計算結果の表示 (2基の風車の解析)
補足1 JSS3 主要諸元
表4: JSS3 主要諸元
補足2 JSS3設備供用有償利用単価
項目 | 料金 | |
直接経費 | 基本利用料 | 11,991円/月 |
ノード利用料 | SORAシステム単価 0.49664円/(コア・時) RURI(ST)システム単価 1.6985 円/(コア・時) RURI(GP)システム単価 7.4480 円/(コア・時) RURI(XM)システム単価 27.570 円/(コア・時) RURI(LM)システム単価 4.0552 円/(コア・時) RURI(TST)システム単価 1.6985 円/(コア・時) TRURI(TGP)システム単価 7.4480 円/(コア・時) TRURI(TLM)システム単価 4.0552 円/(コア・時) (SORAシステムは、500(ノード・時)を超える利用時間が課金対象) |
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ファイル利用料 | ファイル単価 0.14220 円/(GB・月) (500(GB・月)を超える割当て容量が課金対象. また, JAXAが認めた容量に限る) |
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アーカイバ部利用料 | アーカイバ部単価 0.16302 円/(GB・月) (但し、最大400TBまで) |
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一般管理費 | 直接経費の8.9% |
※別途、請求時に法定消費税額を加算する。
※負担額の算出時に1円未満の端数が生じた時は、算出額ごとにその端数金額を切り捨てるものとする。
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月~2023年1月)