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S&MA基盤「品質工学ツール(JIANT)」の構築・維持

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月~2020年3月)

報告書番号: R19JH2900

利用分野: 事業共通

PDFはここからダウンロード

  • 責任者: 泉達司, 安全・信頼性推進部
  • 問い合せ先: 角 有司 JAXA安全・信頼性推進部(kado.yuji@jaxa.jp)
  • メンバ: 角 有司, 谷中 洋司, 中川 貴文

事業概要

JAXAが開発した品質工学ツール(JIANT)を利用して, 非線形シミュレーションへの適合性評価を行う. ここでは, 京大生存圏研究所が所有する木造建築耐震シミュレータwallstatを活用し, パラメータ成立範囲の算出などを実施する.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

スパコンを利用する目的は, 計算の高速化である. wallstatの計算は一般的なPCでは1ケース40分かかる. 品質工学ツールでは, 1回のケーススタディで6000回の計算を行う必要があるため, トータルで160日かかる計算となる.

今年度の成果

ここでは, 第27回品質工学研究発表大会(2019.6.29)にて発表した内容を添付する. 品質工学とは, 設計から運用で発生する外乱(材料のばらつき, 製造のばらつき, 運用のばらつき, 等)に対して耐性を持つ(ロバストな)製品を設計する方法論であり, 自動車, 電気メーカなどで広く使われている手法である. 品質工学は3水準のL18直交表が良く使われるが, 本研究では11水準のL121直交表の利用を可能としており, JSS2との連携を可能としている. また, 木造建築の分野ではロバスト設計は広まっていないことから, 京大生存圏研究所との共同研究で, 検討に着手したものである. 品質工学, スパコン, 木造建築の3つの組合せは過去に例がない点, 我が国の重要課題(耐震設計)の解決に向けて良い成果が得られている事から, 本研究は金賞を受賞した.

Annual Reoprt Figures for 2019

図1: JAXAが開発した品質工学ツールの全体フローを示す. このPDCAサイクルを繰り返すことで, パラメータ成立範囲を算出する手法は, JAXAのオリジナルの手法である.

 

Annual Reoprt Figures for 2019

図2: 今回の検討で利用した直交表を示す. 自動車・電機業界などでは3水準のものが利用されるが, JAXAでは, 7水準, 11水準の多水準直交表を利用している.

 

Annual Reoprt Figures for 2019

図3: 直交表を利用する事で, 総当たり6億ケースの計算が約6000回まで減らせるが, これでも今回のシミュレータ(wallstat)では160日かかってしまうので, JSS2を利用することで, 約1日で完了する事が出来た.

 

Annual Reoprt Figures for 2019

図4: 最終的に得られたパラメータ成立範囲を図4に示す. この範囲にしておけば, 建築基準法に規定された大地震(500年に1度)で倒壊せず, 中地震(50年に1度)で変形しないことが保証できる. なお, 2019年度は同様の考え方で衛星設計などにも取り組んでおり, 成果は学会発表をしている.

 

成果の公表

-査読なし論文

角有司, 中川貴文, 多様な地震波に対するロバストな木造建築の耐震設計手法の研究, 品質工学会, 第27回品質工学研究発表大会,2019.6.29

角有司, 青山和浩, 双対設計工学の提案と火星惑星探査機MMXの着陸シミュレーションへの適用, 日本機械学会 1DCAE/MBDシンポジウム2019,2019.12.4

角有司, 中川貴文, 野竹彰宏, 青山和浩, 双対設計工学による木造建築耐震問題への寄与と森林環境の持続的発展に向けた考察, 第10回横幹連合コンファレンス, 2019.11.30-12.1

角有司, 馬場満久, 大槻正嗣, 原悟, 錦織知彦, 品質工学を利用したMMX着陸シミュレーションのロバスト性評価, 第63回宇宙科学技術連合講演会, 2019,11,6

-招待講演

角有司, 品質工学のJAXA標準書設定の意義と宇宙航空産業における品質工学への期待, 品質工学会, 第12回品質工学技術戦略研究発表大会(RQES2019A),2019.11.4

角有司, ロケット・人工衛星開発における品質管理について,建築コンサルタンツ協会 品質向上委員会, 2020,2.27

角有司, JAXAにおける宇宙開発の現状と品質工学への期待, 品質工学会NMS研究会 春の公開討論会2020.2.1

角有司, 設計の大空間と評価判断:1DCAEと品質工学, ニュートンワークス社セミナー, MBDの本質をめざして 2019,9.12

角有司, 1DCAEと大空間でのパラメータ設計と品質工学

②品質工学によるロバスト性の評価, ニュートンワークス社セミナー, 第13回System Simulation Symposium 2019,7.12

角有司, 品質工学ツール(JIANT)による設計のロバスト性向上と情報連携について, 日本計算工学会HQC研究会 第5回研究会, 2019.3.5

-その他

http://www.rqes.or.jp/awards/presentationAward/presentationAwardList.html

品質工学会 受賞一覧

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: 非該当
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 1
  • 1ケースあたりの経過時間: 7200 秒

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.08

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 0.00 0.00
SORA-PP 174,250.33 1.13
SORA-LM 0.00 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 23.84 0.02
/data 49,066.57 0.84
/ltmp 4,882.81 0.41

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月~2020年3月)


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所在地

JAXA(宇宙航空研究開発機構) 調布航空宇宙センター
所在地 〒182-8522 東京都
調布市深大寺東町7-44-1