空力モデル構築・比較の効率化
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月～2023年1月)
報告書番号: R22JDA201N05
利用分野: 航空技術
- 責任者: 溝渕泰寛, 航空技術部門 航空機ライフサイクルイノベーションハブ
- 問い合せ先: 航空技術部門航空機ライフサイクルイノベーションハブ 上野 真(ueno.makoto@jaxa.jp)
- メンバ: 上野 真, 山田 健翔, 浜田 ちぐさ, 山本 貴弘
事業概要
エンジンナセル内の空気流量をナセル内に配置したアニュラープラグを用いて調整し, エンジンナセル内の空気流量が機体の空力特性に及ぼす効果を評価する.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
飛行機全機周りの計算を含むため多重並列計算が必須であり, 高速流体計算プログラムFaSTARも最適化されているため, JSS3を選択した.
今年度の成果
流出抗力はCapture Area Ratio (CAR)によって変化するが, 試験モデルの流路ナセル内部の形状を変更する必要があるため, 実験的に調べることは困難である. そこで, ビジネスジェット形状試験モデルのフロースルー型ナセルにおける流出抵抗の変化を明らかにするため, フロースルー型ナセル内部の環状プラグの計算格子を用いた数値解析を実施した. その結果, プラグの追加により, 空力係数のCARと軸方向成分の両者に差が生じることが確認された. プラグが大きく絞られない限り, CARの大きな変化は見られないが, 大きく絞りすぎるとナセル内の流れが分離し, 空力係数に悪影響を及ぼすことが示された.
図1: ビジネスジェット主翼, ナセル内部, スタビライザ周りのマッハ数分布(30%プラグ付加格子)
図2: CAR に対するナセル軸力係数差分
成果の公表
-査読なし論文
山田, 山本, 浜田, 上野, 上野, フロースルーナセルへのアニュラー型プラグ負荷によるスピレージ抵抗変化の数値解析, 第60回飛行機シンポジウム, 2022.
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 25
- 1ケースあたりの経過時間: 12.5 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 2.35
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
| 計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| TOKI-SORA | 63854699.13 | 2.79 |
| TOKI-ST | 47783.58 | 0.05 |
| TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-LM | 520.85 | 0.03 |
| TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
| ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| /home | 665.54 | 0.60 |
| /data及び/data2 | 124039.76 | 0.96 |
| /ssd | 380.03 | 0.05 |
| アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 41.26 | 0.18 |
|---|
※1 総資源に占める利用割合：3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
| 利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
|---|---|---|
| ISVソフトウェア(合計) | 298.63 | 0.21 |
※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月～2023年1月)