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直交格子積み上げ法を用いた航空宇宙用推進機関の内部流れ場の数値解析

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月~2023年1月)

報告書番号: R22JACA52

利用分野: JSS大学共同利用

PDFはここからダウンロード

  • 責任者: 小川秦一郎, 大阪公立大学
  • 問い合せ先: 小川秦一郎, 助教, 大阪公立大学(shinichiro.ogawa@omu.ac.jp)
  • メンバ: 小川 秦一郎, 佐々木 大輔

事業概要

計算性能の更なる向上のために, 複雑形状を対象とした解析にも容易に対応が可能な直交格子をベースとする, 直交格子積み上げ法(Building-Cube Method; BCM)が有用である. そこで, 本研究では固体燃料ロケットとスクラムジェットエンジンを対象に内部流れ場用のBCMソルバーの開発を目指す.

本年度は, 以下の2つの目的のもと研究を進めた. 固体燃料ロケットを対象とした解析では, 埋め込み境界法を適用した推進剤壁面噴出モデルを構築する. 加えて, Inhibitorからノズルまでの渦構造についても調べた. スクラムジェットエンジンを対象とした解析では, 燃料噴射口からの燃料流入条件を構築する.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

直交格子積み上げ法を用いた固体燃料ロケット燃焼室内やスクラムジェットエンジン内部流れ場の3次元流体解析には, 大きな計算資源が必要である. そのため, 大容量メモリが利用でき, 高速演算が可能なスーパーコンピュータの利用が必要不可欠である.

今年度の成果

固体燃料ロケット:

埋め込み境界法を適用した推進剤壁面噴出モデルを構築した. 埋め込み境界法はMittal et al. の方法を用いている. 構築したモデルの妥当性の検証には, Ariane 5の固体燃料ロケットモデルを対象に実験データと比較した. 図1に計算格子とマッハ数分布を示す. X-Z断面図より, 推進剤壁面に近い速度ベクトルを見ると, 流入ガスは推進剤壁面に対して垂直に噴射されていることが分かる. マッハ数分布より, 流入した流れはノズル方向に流れている. また, 図2に示す軸方向流速分布より, 本解析結果は実験結果と誤差範囲内で一致している. 従って, 本研究で構築した推進剤壁面噴出モデルは, 精度よく固体燃料ロケット内部流れ場を解析できている. 次いで, Inhibitorから放出される渦の構造について調べた. 図3に示すように, Inhibitorから放出される3次元渦の構造を明らかにした. この3次元渦構造が分かることで, 固体燃料ロケット内部の圧力振動の解明につながる.

スクラムジェットエンジン:

燃料噴射口からの燃料噴出条件を構築した. 燃料噴出に伴う流れ場を精度よく解けることを確認した. しかし, 本条件の妥当性の検証は不十分であるため, 次年度以降, 検証解析を進めていく.

Annual Reoprt Figures for 2022

図1: Ariane 5の固体燃料ロケットモデルを対象とした計算格子とマッハ数分布

 

Annual Reoprt Figures for 2022

図2: x = 0.580 m地点における実験値と解析値の速度分布の比較

 

Annual Reoprt Figures for 2022

図3: ノズルキャビティ付近のQ値等値面

 

成果の公表

-査読付き論文

小川秦一郎, 大内健太郎, 佐々木大輔, "直交格子積み上げ法によるノズル付き固体燃料ロケット内部流れの3次元流体解析, " 航空宇宙技術, Vol. 22, 2023, pp. 1-10.

-口頭発表

Shinichiro Ogawa, and Daisuke Sasaki, "Development of Wall Injection Model for Solid Rocket Motor Internal Flow by Block-Structure Cartesian Mesh," AIAA SciTech 2023, AIAA 2023-1131, 2023.

小川秦一郎, 佐々木大輔, "埋め込み境界法を適用した固体燃料ロケット推進剤壁面噴出モデルの構築, " 第36回数値流体力学シンポジウム, B05-2, 2022.

小川秦一郎, 大内健太郎, 佐々木大輔, "直交格子積み上げ法を用いたキャビティ付き固体燃料ロケット内部流れの流体解析手法の構築, " 第54回流体力学講演会/第40回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム, 1C02, 2022.

-ポスター

Kentaro Miyata, Shinichiro Ogawa, Koichi Mori, and Daisuke Sasaki, "Development of a BCM Solver for Internal Flow in Supersonic using the IB Method," 19th International Conference on Flow Dynamics, OS21-37, 2022.

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 1 - 5
  • 1ケースあたりの経過時間: 150 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.06

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 0.00 0.00
TOKI-ST 64160.79 0.06
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 170369.77 11.42
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 13.33 0.01
/data及び/data2 30000.00 0.23
/ssd 133.33 0.02

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 0.62 0.00

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月~2023年1月)


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所在地

JAXA(宇宙航空研究開発機構) 調布航空宇宙センター
所在地 〒182-8522 東京都
調布市深大寺東町7-44-1