爆轟波伝播に関する基礎的数値解析
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月～2023年1月)
報告書番号: R22JACA45
利用分野: JSS大学共同利用
- 責任者: 水書稔治, 東海大学
- 問い合せ先: 水書稔治, 東海大学工学部航空宇宙学科(mzkk@tsc.u-tokai.ac.jp)
- メンバ: 水書 稔治, 王 発明
事業概要
回転デトネーションエンジン(RDE)内部での爆轟波伝播の基礎研究を目的とし, デトネーション管およびRDE内部での爆轟波と燃料/酸化剤混合噴流との干渉と伝播様態に関する数値解析手法の確立を目指した基礎的な爆轟現象解析に取り組む. 2022年度は, 燃料/酸化剤を, エチレン/酸素, および水素/空気混合気条件でのRDE運転内部での爆轟波伝播を2次元解析した.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
爆轟波伝播解析は, 爆轟波の伝播速度の大きさと関連する素反応の多様さのため, 基本的な現象解析であっても大きな計算負荷がかかるため, 計算資源が豊富で演算速度が大きな計算環境が必要である. JAXAのスパコン環境は, これらの条件を満たし, 信頼性のある解析結果を得るために不可欠である.
今年度の成果
可燃性噴流列中伝播する爆轟波の二次元数値解析. (図1, 図2)
エチレン酸素を使用する回転爆轟エンジンの二次元数値解析. (図3)
水素空気を使用する回転爆轟エンジンの二次元数値解析. (図4)
図1: 可燃性噴流列中伝播する爆轟波の二次元数値解析. (エチレン酸素予混合)
図2: 可燃性噴流列中伝播する爆轟波の二次元数値解析. (エチレン酸素非予混合)
図3: エチレン/酸素を使用する回転爆轟エンジンの二次元数値解析.
図4: 水素/空気を使用する回転爆轟エンジンの二次元数値解析.
成果の公表
-査読付き論文
F. Wang and T. Mizukaki, "Numerical analysis of detonation wave propagation in a closed linear combustor with doublet injectors at low plenum pressure", Sci. Technol. Energ. Mater., Vol. 83, No. 5, pp 125-131, 2022.
-口頭発表
F. Wang, T. Mizukaki, and S. Matsuyama, "Numerical Analysis of the Influence of Mixing on Detonation Wave Propagation inside a Rotating Detonation Engine by using Linear Detonation Channel", 28th International Colloquium on the Dynamics of Explosions and Reactive Systems, 78, 2022.
F. Wang and T. Mizukaki, "Numerical Analysis of Propagation of Detonation Wave Plunging Entry the Fuel Jet Train inside Rotating Detonation Combustor", 33rd International Council of the Aeronautical Sciences, 9.9.2, 2022.
王発明, 水書稔治, "衝突型噴射口を持つ閉式リニア燃焼器を使用する非予混合ガスでの爆轟波伝播数値解析", 火薬学会2022年度春季研究発表会, 41, 2022.
王発明, 水書稔治, "乱流燃焼解析コードCHARIOTによるRDE内部の爆轟波伝ぱ解析-エチレン‐酸素を用いた小型RDEの2次解析-", 第54回流力講演会/第40回ANSS, 1D04, 2022.
F. Wang and T. Mizukaki, "Dependence of premixture jet height on detonation wave propagation inside a pressure gain combustion channel", 2023 AIAA SciTech Forum and Exposition, AIAA 2023-0362, 2023.
-その他
博士学位論文:Experimental and numerical study on propagation of detonation wave in combustible jet train, 王発明, 東海大学(2023)
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 20 - 100
- 1ケースあたりの経過時間: 217922.4 秒
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.19
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
| 計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| TOKI-SORA | 5110736.53 | 0.22 |
| TOKI-ST | 0.83 | 0.00 |
| TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
| ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| /home | 260.00 | 0.24 |
| /data及び/data2 | 5220.00 | 0.04 |
| /ssd | 150.00 | 0.02 |
| アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
|---|
※1 総資源に占める利用割合：3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
| 利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
|---|---|---|
| ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月～2023年1月)