JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月～2022年1月)

報告書番号: R21JAR10600

利用分野: 宇宙技術

PDFはここからダウンロード

• 責任者: 祖父江真一, 第一宇宙技術部門地球観測統括付
• 問い合せ先: 工藤 文雄(kudoh.fumio@jaxa.jp)
• メンバ: 段 理紗子, 後藤 貴志, 早坂 英俊, 磯口 治, 今村 功一, 伊藤 俊, 工藤 文雄, 黒川 広隆, 川島 康弘, 村上 駿介, 村本 信裕, 武藤 太郎, 仲田 季寧, 大塚 克之, 小川 真弘, 横川 宏之, 山田 翔麻, 山内 信裕, 柳井 僚太

事業概要

陸域観測技術衛星「だいち」および「だいち2号」により取得した合成開口レーダー(PALSAR/PALSAR-2)のデータを加工して, ユーザにとって操作性の高い画像プロダクト(Analysis Ready Data)を生成し提供を行う.

参照URL

「だいち（ALOS） – JAXA 第一宇宙技術部門 サテライトナビゲーター」参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

JAXAは, 地球観測衛星データの利用普及を拡大するためのデータ公開整備を行っています.

その一環として, 大量のALOS-2/PALSAR-2の全観測期間分データを処理し, ユーザの利便性の高い画像データを迅速に公開する必要がJAXAにはあります.

これを実現するには, JSSでの処理(最大50並列処理)が最適であるため, JSSを利用をしました.

今年度の成果

・PALSAR-2北米域ScanSAR(L1.1)処理 2014.08～2021.08

ABCIへ伝送中継サーバ経由で提供. Tellusへ369シーン提供.

途中, L1.1をバーストモードからフルアパチャーモードに変更(バースト処理分は再処理)して処理を実施し, 提供.

・ALOS-2/EICSよりL0(ScanSAR,SM2,SM3)をJ-SPACEへ保存. (2014～2022.02)

・JJアジア域ScnaSAR(L1.1+L2.1,9171シーン)処理

→2014.08～2021.08

2021.09～2021.12(バースト処理へ変更)

→L2.1@インド・バングラデシュ・タイ周辺をISROへ2020～2021分は提供済み.

・アフリカ大地溝帯L1.1処理 1845DLS, 約14,000シーン, 792TiB

→AISTへ22回に分けて伝送予定. (Set1,2完了, Set3,4伝送準備中(2022.3/9現在))

・NASA要求分処理

→アラスカunimak島(4シーン), サンアンドレア(64シーン, AIST要求に含まれていないもの), 残りの北南米の西海岸(6567DLS,2019-2021分処理完了)

・南米域ScanSAR(L1.1)約4,000再生ID 2014.08-2018.12処理

・イタリア全域L1.1処理(703再生ID)

→1.7TB(39シーン),5.8TB(124シーン)をそれぞれの要求企業に向けて, さくらインターネットFTPサーバ経由で提供.

・メコンデルタ領域のL1.1処理359再生ID, 683シーンを処理し, ESAへ提供.

・PALSAR-2/L2.2(斜面勾配補正済みオルソ)プログラムの実装, 及び高速化検討

・土地被覆分類コードの実装テスト(Singularity利用)

成果の公表

なし

JSS利用状況

計算情報

• プロセス並列手法: 非該当
• スレッド並列手法: OpenMP, pthread, boost::thread
• プロセス並列数: 1
• 1ケースあたりの経過時間: 30 分

JSS3利用量

総資源に占める利用割合※1(%): 0.26

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

※1 総資源に占める利用割合：3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

ISV利用量

※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月～2022年1月)