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スペースプラズマ物理過程の磁気流体シミュレーション研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2017年4月~2018年3月)

報告書番号: R17JACA28

利用分野: JSS2大学共同利用

PDFはここからダウンロード

  • 責任者: 銭谷誠司 京都大学生存圏研究所
  • 問い合せ先: 銭谷誠司 zenitani@rish.kyoto-u.ac.jp
  • メンバ: 銭谷誠司, 三好隆博, 篠原育

事業概要

当プロジェクトでは,宇宙空間プラズマ環境で起きるさまざまな物理素過程を,主に数値シミュレーションを用いて解明・理解することを目指している.特に,磁力線のつなぎ変えとともに磁気エネルギーを解放する「磁気リコネクション」とその周辺現象を対象とする.また,シミュレーション研究のための公開コードの開発を行っている.

参照URL

OpenMHD コード」参照.

JSS2利用の理由

宇宙空間プラズマの大局的振る舞いを近似する磁気流体方程式系は,非常に複雑で非線形に振る舞うことが知られている.宇宙プラズマ現象のさまざまな性質を理解するためには,スーパーコンピューターによる大規模数値シミュレーションが必須である.

今年度の成果

プラズモイド型乱流リコネクションの基礎的な性質を磁気流体計算を多数実行して調査した.具体的には,2次元のパラメーター空間でパラメーターサーベイを行ない,系全体の平均的エネルギー消費効率が我々の理論予想に従って変化することを確認した.そして,これらが数値解法の細部(物理量の補間方法)に依存しないことを確認し,物理量の解析を通じて我々の予想をさらに裏付けた.現在は,共同研究者とともに論文投稿準備を進めているところである.さらに別グループとの共同研究で,磁気リコネクションの静穏状態から乱流状態に移行するタイミングが数値的要因に左右されることを示した(論文 [1]).

一方,将来の研究に向けてコードの改良に取り組み,MPIノンブロッキング通信で複数の通信をオーバーラップさせて計算時間を短縮した.ベンチマーク結果(図1)が示す通り,長年の改良で着実にコードの高速化が進んでいることがわかる.さらに数千コア帯でのOpenMP並列性能を改善したうえで,ノード内通信を代替するMPI-3共有メモリ通信のプロトタイプを実装した.

Annual Reoprt Figures for 2017

図1: MHDコードのベンチマーク結果

 

成果の公表

■ 査読付論文

1) T. Shimizu, K. Kondoh, & S. Zenitani, “Numerical MHD study for plasmoid instability in uniform resistivity”, Physics of Plasmas, 24, 112117 (2017)

■ 口頭発表

1) 銭谷誠司, “有限体積型磁気流体コード:OpenMHD”, 平成29年度 RISH 電波科学計算機実験(KDK)シンポジウム, 京都大学宇治キャンパス, 2018/2/19

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 40 – 2000
  • 1ケースあたりの経過時間: 36.00 時間

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.04

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 309,513.20 0.04
SORA-PP 0.00 0.00
SORA-LM 0.00 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 109.67 0.08
/data 2,096.18 0.04
/ltmp 3,320.31 0.25

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2017年4月~2018年3月)