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発達した乱流の大規模数値シミュレーション研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)

報告書番号: R24JACA05

利用分野: JSS大学共同利用

PDF(準備中)

  • 責任者: 後藤晋, 大阪大学
  • 問い合せ先: 後藤晋(s.goto.es@osaka-u.ac.jp)
  • メンバ: 遠藤 奎佑, 藤本 貴仁, 後藤 晋, 岩下 航, 井上 隆介, 小井手 祐介, 久木元 翔太, 本告 遊太郎, 松元 智嗣, 増田 颯人, 中野 元大, 逢坂 望, 大久保 恵太, 織田 晃登, 鈴木 雅大, 佐伯 宏大, 田中 健太朗, 渡邊 大記, 吉井 究, Napat Lilittrakul

事業概要

我々の身のまわりの流れのほとんどは乱流であり, その予測や制御はさまざまな分野で重要である. 幸い, スーパーコンピュータの能力の向上に伴い, 数値シミュレーションが可能な乱流のレイノルズ数は年々高くなってきたが, 航空宇宙工学で扱うような極めて高いレイノルズ数の乱流をモデル化なしにシミュレートすることは未だできない. そこで, 乱流の小スケールの統計や動力学の普遍性に基づいた「乱流モデル」の構築を目指した研究が古くから行われてきた. 本研究では, 種々の境界条件下の乱流の数値シミュレーションを通じて乱流の普遍性の起源を明らかにするとともに, 情報科学の手法も援用することで新規の乱流モデルを構築する.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

航空宇宙工学に現れる流れの多くは, 高いレイノルズ数の発達した乱流であり, その動力学や統計の理解は, 宇宙科学研究所のさまざまなプロジェクトと直接に関わる. とくに, 本研究が目指す「新しい乱流モデルの構築」が成功すれば, 多くのプロジェクトの数値シミュレーション研究の基盤を支えるはずである.

今年度の成果

これまでの我々の一連の研究により, 乱流モデルの構築には, 乱流中の秩序渦の動力学を理解することが必須であることが明確になった. そこで今年度は, 2種類の流体が混在する乱流中の液滴形成過程に対する秩序渦の役割を明らかにすることを目的とした研究に, 力を入れて取り組んだ. 乱流中の液滴形成の研究は, コルモゴロフやヒンゼの古典理論にさかのぼる. 本研究では, 数値シミュレーションを援用して系統的に調べた. その結果, 液滴径の分布はコルモゴロフ・ヒンゼ長を境界としてふるまいを変えることを示した. また, 液滴の分裂過程への乱流中の渦の階層構造の寄与を定量化する方法を確立した.

Annual Report Figures for 2024

図1: 周期境界条件下の乱流中における液滴の分裂と合一の数値シミュレーション. 液滴は秩序渦の階層構造の影響を受けて分裂と合一を繰り返し, 統計的に定常状態に落ち着く.

 

成果の公表

-査読付き論文

1) Awai Hideto, Yutaro Motoori, Susumu Goto, Attenuation of turbulence in a periodic cube by anisotropic solid particles, J. Fluid Mech. (in press)

2) Yusuke Koide, Susumu Goto, Polymer stretching and alignment under the hierarchy of multiscale vortices in turbulence, Phys. Rev. Fluids, 9 (2024) 123303.

3) Satoshi Matsumoto, Masanobu Inubushi, Susumu Goto, Stable reproducibility of turbulence dynamics by machine learning, Phys. Rev. Fluids 9 (2024) 104601.

4) Daiki Watanabe, Kento Eguchi, Susumu Goto, Onset of convection cells in a horizontally rotating cylinder partially filled with liquid, J. Fluid Mech. 989 (2024) A9.

5) Susumu Goto, Yutaro Motoori, Hierarchy of coherent vortices in developed turbulence, Review of Modern Plasma Physics 8 (2024) 23

6) Kai Fukami, Susumu Goto, Kunihiko Taira, Data-driven nonlinear turbulent flow scaling with Buckingham Pi variables, J. Fluid Mech. 984 (2024) R4.

7) Ryo Araki, Wouter J. T. Bos, Susumu Goto, Space-local Navier-Stokes turbulence, Phys. Rev. Fluids 9 (2024) 014603.

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 64 – 128
  • 1ケースあたりの経過時間: 30 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.22

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 1723483.97 0.08
TOKI-ST 914069.57 0.94
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 31.49 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 6404.00 4.32
/data及び/data2 469790.00 2.25
/ssd 42670.00 2.29

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 0.00 0.00

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)