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振動燃焼研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)

報告書番号: R24JCMP16

利用分野: 競争的資金

PDF(はここからダウンロード)

  • 責任者: 清水太郎, 研究開発部門第三研究ユニット
  • 問い合せ先: tsutsumi.seiji@jaxa.jp(tsutsumi.seiji@jaxa.jp)
  • メンバ: 青野 淳也, 赤嶺 政仁, 伊藤 浩之, 堤 誠司

事業概要

本研究ではContinuously Variable Resonant CoContinuously Variable (CVRC)を対象にLES解析を実施し, 得られた結果をもとに振動燃焼の発生を予測可能な縮約モデルを開発し, 振動燃焼の予知を目指す.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

LES解析やその結果の処理は大規模な計算リソースが必要なため.

今年度の成果

液体ロケットエンジンの燃焼振動の発生条件を事前に予測することを目的とし, 簡易ロケットエンジン燃焼器モデルとして盛んに研究されている Continuously Variable Resonance Combustor (CVRC) を対象に, Large-Eddy Simulation を用いた数値解析を実施した. 酸化剤入口温度を変更することで, 1次長手モード(1L モード)の燃焼振動の増幅・減衰が可能であることを確認し, 700K から 1300K まで変化させた 10 ケースに関して位相平均を適用し, 圧力変動, 速度変動, 発熱率変動を解析した. 圧力変動が顕著な 720K から 1200K では, 酸化剤ポスト内で衝撃波が往来し, 燃焼器入口に到達した際に速度擾乱が発生した. この速度擾乱により, 燃料と酸化剤の混合が促進され, 局所的な発熱が生じた. 一方, 圧力変動が減衰する 700K および 1300K では, 発生する速度擾乱が小さいため, 燃料と酸化剤の混合促進には至らず, 発熱領域が下流へ延びることが観察された.

 酸化剤ポスト内を進行波が伝播する周期 T_post と, 反応に関連する時間 T_react を, 著者らの過去の研究と比較してより高精度に評価し, これらの時間が 1L モードの周期 T_comb とどのように関係するかを分析した. 圧力変動が顕著な 720K から 1200K では, T_post と T_react の合計が 1L モードの周期 T_comb とほぼ一致し, 自励振動が発生していることを確認した. 一方, 700K および 1300K では, T_comb < T_post + T_react となり, その周期にずれが見られた. したがって, これら 3 つの時間スケールをモデル化することで, 燃焼振動を予測可能な簡易モデルが構築できることを示した. 得られた結果をもとに, Matveev and Culick (Combust. Sci. Tech. 175(6) 2003) モデルをベースとした振動燃焼の発生予測用縮約モデルへの導入を検討中である.

成果の公表

-査読なし論文

堤誠司, 尾亦範泰, 清水太郎, 赤嶺政仁, 青野淳也, "連続可変共鳴燃焼器における自励燃焼振動の振 幅変化条件," 日本航空宇宙学会北部支部2025年講演会ならびに第6回再使用型宇宙輸送系シンポジウム, JSASS2025-H19, 2025.

赤嶺政仁, 堤誠司, 清水太郎, 尾亦範泰, 青野淳也, "連続可変共鳴燃焼器の振動燃焼に対する Matveev–Culickモデルの拡張," 日本航空宇宙学会北部支部2025年講演会ならびに第6回再使用型宇宙輸送系シンポジウム, JSASS2025-H20, 2025.

-口頭発表

Seiji Tsutsumi, Noriyasu Omata, Taro Shimizu, Masahito Akamine, and Junya Aono, "Numerical Analysis of Amplifying Longitudinal Combustion Instability in a Self-Excited Combustor," 19th International Conference on Numerical Combustion, 2024.

Masahito Akamine, Seiji Tsutsumi, Taro Shimizu, Noriyasu Omata, Junya Aono, "Application of Matveev-Culick Model to Combustion Instability in a Self-Excited Combustor," 19th International Conference on Numerical Combustion, 2024.

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 1600
  • 1ケースあたりの経過時間: 10 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.00

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 0.00 0.00
TOKI-ST 662.66 0.00
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 0.00 0.00
TOKI-TST 2.73 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 75.35 0.05
/data及び/data2 13395.99 0.06
/ssd 51.33 0.00

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 96.86 0.32

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 11.63 0.01

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)