低速域から高速域にわたる高効率プロペラの研究開発
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)
報告書番号: R24JCMP28
利用分野: 競争的資金
- 責任者: 神田淳, 航空技術部門航空安全イノベーションハブ
- 問い合せ先: 宗像 瑞恵, 熊本大学(munekata@gpo.kumamoto-u.ac.jp)
- メンバ: 宗像 瑞恵, 菅沼 淳之介
事業概要
現在, SLT社がティルトウイングVTOL機を開発している. この機体の要求にあう低速域から高速域までの広い速度範囲で高効率を発揮できるプロペラの開発が求められている. 渦法によってプロペラを設計し, 設計の妥当性を風洞試験によって確認する. 本研究は風洞試験とともに設計の妥当性をCFDによって検証する.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
JAXAのスーパーコンピュータを利用した目的は, 計算の高速化と多並列化を実現し, 大規模な計算を短時間で行うためである. 本研究で解析対象とするティルトウィングVTOL機用プロペラ周りの流れ場の解析では, 計算領域が広く, さらに異なる飛行モードの解析も必要となる. そのため, 限られたプロジェクト期間内に解析を実施するには, 短時間で大規模な計算を行えることが不可欠であった. 得られた数値解析結果は, プロペラ設計法の評価やプロペラ周りの流れ構造の解明に活用し, 高効率なティルトウィングVTOL機用プロペラの開発に貢献する.
今年度の成果
本研究の目的は, ティルトウイングVTOL機用プロペラにおいて, 低速域から高速域までの広い速度範囲で高効率を発揮できるプロペラを開発することである. 実機のプロペラとして, ホバリング時より巡航時の回転数を低減する可変速プロペラと, ホバリング時と巡航時で回転数を変えない固定速プロペラの2種類を検討している. 本研究では, これらの高効率プロペラの設計手法を構築し, その妥当性を検証するために, 直径18インチのプロペラ模型を設計・製作した. さらに, 両プロペラの空力性能試験と, TOKIを用いたプロペラ周りの流れの三次元数値解析を実施し, 設計手法の精度を評価した. 数値解析にはSST k-ωモデルを用いた定常解析を採用した. その結果, 実験結果と空力性能は設計値とほぼ一致し, 本設計手法の妥当性が示された. 一方, 数値解析ではメッシュ解像度の問題により定量的な解析には課題が残るものの, ホバリング時および巡航時のプロペラ翼周りの定性的な流れを明らかにすることができた.
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 1 – 8
- 1ケースあたりの経過時間: 40 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.01
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 0.00 | 0.00 |
TOKI-ST | 12953.67 | 0.01 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 11100.75 | 0.80 |
TOKI-TST | 0.20 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 0.00 | 0.00 |
/data及び/data2 | 0.00 | 0.00 |
/ssd | 0.00 | 0.00 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 506.92 | 0.35 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)