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非線形フォースフリー磁場計算による「ひので」観測に基づく太陽コロナ磁場推定

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)

報告書番号: R24JU0912

利用分野: 宇宙科学

PDF(はここからダウンロード)

  • 責任者: 斎藤義文, 宇宙科学研究所太陽系科学研究系
  • 問い合せ先: 清水敏文(shimizu.toshifumi@jaxa.jp)
  • メンバ: 清水 敏文, 寺岡 耕平, 山﨑 大輝

事業概要

太陽系最大の爆発現象である太陽フレアの発現機構を理解することを目的とする. 太陽観測衛星「ひので」等で観測された太陽表面磁場を用いて3次元の磁気流体力学計算を行うことで, 上空のコロナにおける3次元磁場構造を推定する. 推定された3次元磁場構造とフレア発生の関係を探る.

参照URL

ひのでプロジェクトのホームページ:TOP PAGE」参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

観測から得られた太陽表面(光球)の三次元磁場マップから, 上空に存在する大気(彩層・ コロナ)における三次元磁場分布を外挿推定する. 推定に使用する3次元磁気流体力学計算を用いたフォースフリー磁場モデリングは, 三次元磁場の緩和を行うため, 多くの計算資源が必要となる. 用途は, フレア前の三次元磁場分布を調べることと.エネルギーが溜まった磁場が爆発的に膨張しやすい領域を探すことである. 高スペックのスパコンを使うことで, 様々な時間での三次元磁場分布を得ることが短期間で可能になることが利点である.

今年度の成果

太陽コロナ磁場構造の不安定状態は, 様々なフレアの振る舞いをもたらす. 2017年9月6日に活動領域12673で同様の磁気形状下で発生した閉じ込めフレアと噴出型フレアを, ツイスト数, 減衰指数, 磁力線の高さを用いて比較し, フレア噴出の観測的挙動を明らかにした. フレアカーネルと呼ばれるフレアリボンのコアの位置から, 初期エネルギー放出に関与する磁力線のパラメータに注目した. 磁力線は非線形フォースフリー磁場モデリングによって導出された. 噴出型フレアの24本の磁力線のうち7本の磁力線のツイスト数は0.6以上であった. これらの磁力線は背も高かった. 減衰指数では閉じ込め型フレアと噴出型フレアを明確に識別できないことがわかった. この研究は, キンク不安定状態の磁力線が噴出型フレアにとって重要である可能性を示唆しており, 背の高い磁力線がフレアの噴出を促進する可能性を示唆している.

Annual Report Figures for 2024

図1: 非線形フォースフリー磁場モデリングで求めた磁力線. フレアリボンのコアの位置から, 初期エネルギー放出に関与する磁力線(色のついた線)を太陽表面磁場マップ(白黒は磁場極性を示す)上に示した. 左: 閉じ込め型フレア, 右: 噴出型フレア.

 

Annual Report Figures for 2024

図2: 初期エネルギー放出に関与する磁力線のツイスト数と高さ. 噴出型フレアの24本の磁力線のうち7本の磁力線のツイスト数が0.6以上で, これらの磁力線は背も高いことを得られた.

 

成果の公表

-査読付き論文

Teraoka,1K, Yamasaki, D., Kawabata,, Y., Imada, S., and Shimizu, T. “Observational Comparison Between Confined and Eruptive Flares: Magnetohydrodynamics Instability Parameters in a Similar Magnetic Configuration,” 2025, The Astrophysical Journal, 983, 126
doi: https: /10.3847/1538-4357/adc12d

-口頭発表

Teraoka, K., et al. "Observational Comparison of Coronal Magnetic Field Parameters Between Confined and Eruptive Flares in the Similar MFR Configuration", Hinode-17 / IRIS-15 / SPHERE-3 meeting, 22-27 July 2027, Bozeman, MT, U.S.A.

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 16
  • 1ケースあたりの経過時間: 3.5 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.00

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 0.00 0.00
TOKI-ST 0.00 0.00
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 0.00 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 10.00 0.01
/data及び/data2 2450.00 0.01
/ssd 0.00 0.00

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 0.00 0.00

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)