マルチロータの空力性能および空力騒音解析
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)
報告書番号: R23JCMP27
利用分野: 競争的資金
- 責任者: 保江かな子, 航空技術部門航空機ライフサイクルイノベーションハブ
- 問い合せ先: 菅原 瑛明(sugawara.hideaki@jaxa.jp)
- メンバ: 岩城 真広, 西野 隆翔, 菅原 瑛明, 髙橋 諒
事業概要
ドローンや電動垂直離着陸機(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft, eVTOL aircraft)のようなマルチロータ機のロータブレード設計に着目し, 空力性能と空力騒音を両立するブレード設計について研究開発を進めている. 本事業では, eVTOL機として, マルチコプタ型とリフトアンドクルーズ型機を想定し, ブレード設計パラメータが空力性能と空力騒音に与える影響を調査している.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
マルチロータの解析は大規模のため, スーパーコンピュータを用いた大規模解析が必要である.
今年度の成果
回転翼CFDツールrFlow3Dと回転翼機騒音解析ツールrNoiseを用いて, マルチコプタ型の機体を想定し, 空力性能と空力騒音を評価した. マルチコプタのロータは4ロータとし, 各ロータシステムは二重反転ロータとしている. ホバリング条件と前進飛行条件で数値解析を実施した. 数値解析結果より, 二重反転ロータ特有の上下ロータの交差時に発生する急激な圧力変動によって, シングルロータシステムよりも騒音が大きくなることがわかった. さらに, 前方ロータの翼端渦流れが後方ロータに対して複雑に干渉し, 空力性能と空力騒音に影響を与えていることが明らかになった.
成果の公表
-査読付き論文
古川他, “空力性能と空力騒音を考慮した空飛ぶクルマのロータについて, ” 日本航空宇宙学会論文集
-査読なし論文
古川他, “空力性能と空力騒音を考慮した空飛ぶクルマのロータの設計について(その2), ” 第55回流体力学講演会/第41回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム.
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: 非該当
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 1
- 1ケースあたりの経過時間: 504 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.13
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 0.00 | 0.00 |
TOKI-ST | 1037924.75 | 1.12 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 81.00 | 0.01 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 1162.93 | 0.97 |
/data及び/data2 | 175071.47 | 1.08 |
/ssd | 5220.80 | 0.49 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 39.34 | 0.02 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)