低コスト回転翼評価手法と火星探査ドローン向けブレードの空力最適設計
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)
報告書番号: R23JACA59
利用分野: JSS大学共同利用
- 責任者: 金崎雅博, 東京都立大学
- 問い合せ先: 金崎雅博(kana@tmu.ac.jp)
- メンバ: 秦 力也, 長谷川 奈南, 金崎 雅博, 松野 隆, 西村 大生
事業概要
火星探査ヘリコプタや, 地上での可搬型無人ドローンなどでは, 収納性の制約から, 折り畳みが必要となる. 低コストなブレード評価法として, 翼素運動量理論に基づく手法があるが, 地上での高アスペクト比ブレードに対しては翼素の空力性能を75%スパン位置で代表させることで実用的な評価が可能とされてきた. その一方で, 火星環境でのブレードに対しては, 高Fidelityな数値流体力学と乖離した結果が観測されている. そこで, 本研究では代表断面の最適位置や, 翼素の空力係数を与えるための断面数を検証したうえで, 進化計算を用いた火星探査ドローン向けの最適設計を行った.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
本研究では, 進化計算を用いた最適設計を実施する. 設計対象を断面翼型形状とするため, 翼素運動量理論に対し, 設計解ごとに2次元翼型評価が必要となる. 低コスト評価法であることによって, 進化計算の適用が可能となったものの, Navier-Stokes方程式を支配方程式とする数値計算であることから, JSS3の利用が必須である. 確認の計算のために, 重合格子法に基づく数値計算を実施する際にも, JSS3の能力が必要となる.
今年度の成果
展開収納を考え, 翼断面にCorrugated翼型(第1図)を用いることを検討した. Corrugated翼型の設計においては, ベイズ最適化であるEfficient Global Optimizationの援用を考えたが, ガウス課程回帰におけるover fittingなどの問題が観測され, 設計に利用できるカーネルの検討から行った. 具体的には, Matern kernelでユーザーが与えるパラメータである指数と獲得関数の探索パラメータを変化させ, 設計を試み, 良好と思われる組み合わせを見出した.
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 32
- 1ケースあたりの経過時間: 2 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.01
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 3772.69 | 0.00 |
TOKI-ST | 52225.02 | 0.06 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 147.61 | 0.01 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 0.00 | 0.00 |
/data及び/data2 | 7485.00 | 0.05 |
/ssd | 0.00 | 0.00 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 67.37 | 0.03 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)