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ナノ秒パルス駆動プラズマアクチュエータの剥離制御メカニズムの解明

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)

報告書番号: R23JACA58

利用分野: JSS大学共同利用

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  • 責任者: 佐藤慎太郎, 東北大学
  • 問い合せ先: 佐藤慎太郎(shintaro.sato.c3@tohoku.ac.jp)
  • メンバ: 佐藤 慎太郎, 冨江 響

事業概要

流体機械において流れの剥離を抑制することはエネルギー損失の観点から非常に重要な要素である. 特に, 設計点外での運転においても高い機器効率を維持できる能動的気流制御技術を確立することで, 流体機械の性能の飛躍的向上が期待できる. そこで, 近年注目されているのがプラズマアクチュエータである. 本研究ではその中でも高速流中でも剥離抑制に効果的であるとされているナノ秒パルス駆動プラズマアクチュエータについて, その剥離制御メカニズムを数値シミュレーションによって調査することを目的とする.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

ナノ秒パルス駆動プラズマアクチュエータを用いた翼周り流れの数値計算を実行するためには, 流れ場によって特徴付けられる時間スケールよりも大幅に短い放電の時間スケールを解像しながら数値計算を実行する必要がある. さらに, 対象とする流れ場のレイノルズ数は 100,000 程度であり, Large Eddy Simulation (LES) 解析が必要になることからも, 本事業で実施する計算にはスーパーコンピュータの利用が不可欠である.

今年度の成果

今年度は, 放電による気体加熱の影響を考慮した LES 解析を実施し, ナノ秒パルス放電を繰り返し発生させることで, 翼周りの剥離流れを抑制できることを確認した. さらに, プラズマアクチュエータの駆動によって流れの付着が維持されている状態から, 繰り返し周波数を下げた計算を行ったところ, 流れの付着が維持できることを確認した. 流れが剥離した状態で低周波数でナノ秒パルス放電を発生させても流れを付着させることができないことから, プラズマアクチュエータの駆動に起因する流れのヒステリシスが発現することが明らかとなった.

成果の公表

-口頭発表

佐藤慎太郎, 冨江響, 大西直文, ナノ秒パルス放電を用いた翼周りの剥離流れ制御に関する数値計算, 日本機械学会2023年度年次大会, 東京都立大学, 2023年9月

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 1 – 1024
  • 1ケースあたりの経過時間: 72 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.11

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 2953075.57 0.13
TOKI-ST 526.40 0.00
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 0.00 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 95.00 0.08
/data及び/data2 147610.00 0.91
/ssd 0.00 0.00

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 3.47 0.01

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 21.06 0.01

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)