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デブリ推移モデルによる長期軌道上デブリ環境予測

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)

報告書番号: R23JG3105

利用分野: 研究開発

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  • 責任者: 谷島正信, 研究開発部門第一研究ユニット
  • 問い合せ先: 原田隆佑(harada.ryuusuke@jaxa.jp)
  • メンバ: 原田 隆佑, 岩崎 善行, 北川 康弘, 河本 聡美, 長岡 信明

事業概要

スペースデブリの増加は, 宇宙活動の安全確保のため問題となってきている. JAXAではスペースデブリの低減と軌道環境維持のためにスペースデブリに関わる技術の研究開発を継続している. 本事業ではJAXAと九州大学が共同開発した軌道上デブリ環境推移モデル(NEODEEM)による将来の軌道環境の予測に基づいてスペースデブリ対策の有効性等を評価している.

参照URL

http://www.kenkai.jaxa.jp/research/debris/debris.html 参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

NEODEEMでは, 20000個を超える要素の200年以上に及ぶ軌道伝搬と軌道上事象をモンテカルロ法(100回の実行の平均処理)を使って予測する. そのため解析にかかる時間の短縮と大量のデータ処理のため, JSS3を利用した. PC版(Linux, WINDOWS)との互換性からTOKI-RURIを用いている.

今年度の成果

将来の軌道上環境評価の一環として, 宇宙機やミッションが与える環境への影響を評価する指標(Debris indices)に関し, デブリ環境推移モデル(NEODEEM)を用いて評価を行った. 評価対象の破片の期待値と軌道寿命間の重みを適正に設定することで, 短期/長期的影響を評価出来る見込みを得た(図1), また, 運用後の衛星の脱軌道(PMD)の25年ルール短縮についても評価を実施し, 長期的安定性へのPMD順守率の寄与及び短期的安全性への短縮の効果を明らかにした(図2). これらの結果に基づきデブリ低減対策の有効性を評価し, 国際ルールを議論するための根拠として活用している.

Annual Reoprt Figures for 2023

図1: 運用を終えたコンステレーション衛星のデブリ指標値と軌道上物体数における影響比較(高度500-600kmのケースで正規化)

 

Annual Reoprt Figures for 2023

図2: PMD順守率及びPMD期間の違いによる軌道上物体数推移の比較

 

成果の公表

-査読付き論文

1. Ryusuke Harada, Satomi Kawamoto, Nobuaki Nagaoka, and Toshiya Hanada, The Impact Assessment of Accidental Explosions of Large Constellations on Low Earth Orbit Environment, Journal of Space Safety Engineering, Volume 10, Issue 2, June 2023, Pages 256-263, https://doi.org/10.1016/j.jsse.2023.03.007

2. Ryusuke Harada, Satomi Kawamoto, Nobuaki Nagaoka, and Toshiya Hanada, Environmental Impacts of GTO Objects on LEO, Journal of Evolving Space Activities (in press)

-査読なし論文

1. Ryusuke Harada, Satomi Kawamoto, and Toshiya Hanada, Establishment of Debris Index Evaluation Criteria and Comparison of Index Effects, 74th International Astronautical Congress (IAC), Bake, Azerbaijian, 2-6 October 2023.

2. Satomi Kawamoto, Ryusuke Harada, Yasuhiro Kitagawa, and Toshiya Hanada, Evaluation of the effectiveness of 5-year rule — Impact of reducing post-mission disposal lifetime from 25 years to 5 years on the on-orbit environment at each altitude, 74th International Astronautical Congress (IAC), Bake, Azerbaijian, 2-6 October 2023.

3. Ryusuke Harada, Satomi Kawamoto, and Toshiya Hanada, Assessments of the Impacts of Orbital Fragmentations using NEODEEM the Near-earth Orbital Debris Environment Evolutionary Model, Second International Orbital Debris Conference, Texas, United States of America, 4-7 December 2023.

4. SATO Kenichi, NITTA Kumi, YOSHIHARA Toru, HARADA Ryusuke, KAWAMOTO Satomi, IKEDA Hirohide, KINOSHITA Masahiro, UI Kyoichi, and MATSUURA Yoshiki, COLLISION PROBABILITY EVALUATION DURING ORBITAL LIFETIME OF SOLID ROCKET MOTOR SLAG, 12th International Association for the Advancement of Space Safety (IAASS), Osaka, Japan, 22-25 May 2023.

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: 同一初期条件のモンテカルロ試行を複数コアに割り当て, 並列処理
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 20 – 30
  • 1ケースあたりの経過時間: 72 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.39

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 0.00 0.00
TOKI-ST 3075139.81 3.32
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 1.71 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 0.00 0.00
/data及び/data2 0.00 0.00
/ssd 0.00 0.00

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 39.30 0.14

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 0.00 0.00

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)