大気突入実在気体熱空力評価
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)
報告書番号: R23JDA201A32
利用分野: 航空技術
- 責任者: 徳川直子, 航空技術部門基盤技術研究ユニット
- 問い合せ先: 小澤宇志(ozawa.takashi@jaxa.jp)
- メンバ: 小澤 宇志, 清水 義仁, 上住 昂生
事業概要
本研究では, 大気圏突入時における加熱および空力特性を数値シミュレーションによって高い精度で予測するため, 高温気体の物理モデルやシミュレーション手法について高度化を行う. 新たに提案するモデル・手法を用いたシミュレーションと実験によって得られたデータを比較することで予測精度を実証し, 高精度なシミュレーションツールの実現を目指す. 今年度は特に衝撃波管流れ場, サンプルリターンカプセル周りの流れ場, カプセル姿勢安定性について検証する.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
物理モデル, 形状, 試験気流条件, 等の不確定性・依存性を評価するため, モデル, 形状, 条件等を変化させて多くのケースの解析を実施するためにスパコンを使用した.
今年度の成果
本研究では, 火星大気突カプセル後方で起こるCO2再結合反応における速度定数の定量を目的として, 衝撃波管試験とJONATHANコードを用いた流れ場計算との比較から, CO2再結合反応速度定数の定性的な評価を行った. 一般に, 化学反応のbackward rateは化学平衡を仮定して詳細釣り合いの法則から計算された値が用いられる. しかし, カプセル後流のような著しい非平衡が予想される環境では, 詳細釣り合いから計算されたbackward rateは正しい保証がない. そこで, 本研究では膨張ノズル付き衝撃波管(図1)で作成された非平衡気流からのIR輻射を計測し, JONATHANコードおよびSPRADIANを使用して, 実験で得られるIR輻射強度履歴の予測を試みた(図2). その結果, ノズル最下流の窓位置での強度履歴に実験と計算で差異が見られ(図3), 非平衡環境下のCO2再結合反応速度定数が詳細つり合いによる値よりも大きい可能性があることが示唆された. はやぶさ形状カプセル周りの流れ場ではJONATHAN-ALEコードを用いて, 1200mmクラスまでのサイズ依存性とマッハ数依存性(図4)を評価した.
成果の公表
-口頭発表
The 34th International Symposium on Space Technology and Science
第55回流体力学講演会
第67回宇宙科学技術連合講演会
令和5年度宇宙航行の力学シンポジウム
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 366 – 2928
- 1ケースあたりの経過時間: 24 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 2.62
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 71350306.03 | 3.22 |
TOKI-ST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 163.33 | 0.14 |
/data及び/data2 | 3380.00 | 0.02 |
/ssd | 0.00 | 0.00 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)