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降水観測ミッション利用研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)

報告書番号: R23JR1400

利用分野: 宇宙技術

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  • 責任者: 沖理子, 第一宇宙技術部門地球観測研究センター
  • 問い合せ先: 久保田拓志(kubota.takuji@jaxa.jp)
  • メンバ: 東上床 智彦, 正木 岳志, 山本 宗尚, 久保田 拓志

事業概要

熱帯降雨観測衛星TRMMや全球降水観測計画GPMを活用した全球雨分布データを,GSMaP最新アルゴリズム(V8), およびGSMaP準リアルタイム雨量計補正版アルゴリズム(V8)を用いて1997年12月から2000年2月の期間で処理する.

参照URL

https://www.eorc.jaxa.jp/GPM/en/index.html 参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

アルゴリズムの評価,改善やプロダクト作成のため,降水観測に関する複数衛星・センサデータを用いた長期処理を短期間で処理するために,JSS3が必要.処理アルゴリズムの複雑さのため,JSS3の厳格な事業進捗管理,緊急対応,運用側によるきめ細かなユーザ対応等が求められ,JSS3を利用しなければ,短期間での再処理は達成し得ない事業と言える

今年度の成果

衛星全球降水マップGSMaPは, 全球降水観測(GPM)計画の下, GPM主衛星に搭載された二周波降水レーダ(DPR)を中心に, 複数の降水を観測する衛星や静止気象衛星を組み合わせて開発した世界の雨マップである. JAXAが開発し, プロダクトは世界中で利用されている. 2021年度には, 2000年以降の衛星観測期間に対して最新のGSMaPアルゴリズム(V8)で処理されたプロダクトが公開され, 現在も現業運用されている.

今年度は, 新たに整備したGridSatの雲情報を使い, 1997年12月から2000年2月までの衛星観測期間についてJSS3を用いたGSMaP長期処理を実施した. 当該期間のGSMaP標準プロダクトの長期処理は初めての試みとなった(図1). また, 準リアルタイム雨量計補正版アルゴリズム(GSMaP Gauge NRT v8)の処理を1997年12月から2023年12月の期間で実施した. アルゴリズムV8を用いた準リアルタイム版の長期処理は今回が初の試みとなる. 初期解析結果では, 北緯50度から北緯60度の陸上の2015年4月の平均において, 旧バージョンで発生していた過大な降水が改善されることがわかった(図2). GSMaP Gauge NRT v8の一般公開にむけて, JSS3を用いた試験処理は, 処理時間を短縮できたため, 開発のサイクルを加速することができた.

Annual Reoprt Figures for 2023

図1: GSMaP_v8とGSMaP_v6の月降水量の時系列解析

 

Annual Reoprt Figures for 2023

図2: GSMaP Gauge v8とGSMaP Gauge v6の北緯50度から北緯60度の陸上降水の帯状平均の時系列解析

 

成果の公表

-査読付き論文

M. Yamaji and T. Kubota, 2023; Accuracy Assessment of Global Satellite Mapping of Precipitation (GSMaP) by Small Precipitation Radar Constellation, JESA,1, ID: 61, https://doi.org/10.57350/jesa.61.

-招待講演

Takuji Kubota, Munehisa K. Yamamoto, and Moeka Yamaji, Reprocessing of Global Satellite Mapping of Precipitation (GSMaP) Product, AOGS 2023, Singapre

July 2023

-口頭発表

Takuji kubota, Moeka Yamaji, Kosuke Yamamoto, Nobuhiro Takahashi and Yukari N. Takayabu, Global Precipitation Measurement (GPM) mission in Japan and future Japanese Precipitation Measuring Mission (PMM), AOGS 2023, Singapre

July 2023

-ポスター

T. Kubota, K. Yamamoto, Y. Kaneko, T. Tanaka, T. Masaki, T. Higashiuwatoko, G. Kikuchi, M. Ito, Product validations of the spaceborne precipitation radar at Kumamoto in a field campaign for “Senjo-kousuitai”, JpGU2023, Chiba, Japan, May 2023

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: 非該当
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 1
  • 1ケースあたりの経過時間: 24 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.02

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 0.00 0.00
TOKI-ST 147230.31 0.16
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 0.00 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 26.67 0.02
/data及び/data2 90353.33 0.56
/ssd 0.00 0.00

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 51.29 0.18

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 0.00 0.00

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)