平板翼周りの低Reynolds数流れに対する圧縮性効果の研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月~2023年1月)
報告書番号: R22JACA49
利用分野: JSS大学共同利用
- 責任者: 野々村拓, 東北大学工学研究科 航空宇宙工学専攻/JAXA 宇宙科学研究所 客員准教授
- 問い合せ先: 野々村拓, 東北大学(nonomura@tohoku.ac.jp)
- メンバ: 野々村 拓, 永田 貴之
事業概要
Reynolds数O(10^3)-O(10^4)の平板周りの圧縮性流れのlarge-eddy simulation (LES) を実施し, 平板翼前縁の層流剥離泡や平板上に形成される層流境界層およびその乱流遷移における圧縮性の効果を明らかにする. 平板は球や円柱に並ぶ代表的な基礎形状であると同時に, 本研究で調査を行うReynolds数領域は非圧縮性流れにおいて層流剥離泡の形成や平板上の境界層の乱流遷移など, 低Reynolds数流れにおける重要な現象を含んでいる. 本研究においてそれらに対する圧縮性の影響を精緻に調査する.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
本研究ではラージエディシミュレーションによるパラメトリックスタディを行うため, 大規模並列計算が必要となる.
今年度の成果
今年度はレイノルズ数5000-15000においてマッハ数0.2-0.9の計算を行った. 図1, 図2はReynolds数20,000(去年度実施)と11,000における可視化図である. 等値面は速度勾配テンソル第2不変量で等値面とコンターは主流速度で正規化した速度分布で色付けされている. 図より, 高マッハ数条件では前縁で形成される層流剥離泡が長く, 乱流遷移も遅れる. レイノルズ数が低い場合は層流化がより低いマッハ数で起こり, レイノルズ数の低下による流れ場の安定化とマッハ数の増加による流れ場の安定化に類似性を確認した.
成果の公表
-口頭発表
永田貴之, 野々村拓「圧縮性低レイノルズ数流れにおける平板上の層流剥離泡および乱流遷移に対するマッハ数効果の数値的研究」, 第54回流体力学講演会/第40回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム, 1B11, 2022
-ポスター
Takayuki Nagata and Taku Nonomura “Implicit large-eddy simulation of subsonic compressible low Reynolds number flow over a flat plate at Re = 20,000,” 75th Annual Meeting of the Division of Fluid Dynamics, S01.00090, Indianapolis, USA, 2022
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 60
- 1ケースあたりの経過時間: 130 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.02
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 653223.93 | 0.03 |
TOKI-ST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 58.06 | 0.05 |
/data及び/data2 | 113493.33 | 0.88 |
/ssd | 36.11 | 0.01 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 32.90 | 0.15 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月~2023年1月)