2021年度 JSS利用状況
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)
JSS3利用概要について、報告します。
■JSS3運用期間:2021年4月1日~2022年3月31日
※JSS3の主な諸元は、補足1を参照ください。
ジョブ充填率推移
図1: JSS2/JSS3ジョブ充填率
JSS3初期の利用傾向
図2: プロセス並列度と利用量の相関
表1: 並列度別利用割合
利用枠組みと利用割合
利用枠別の実績
利用枠組みは5つに分類され、それぞれの枠組みに適した利用率保障、ジョブの実行優先度制御が設定されており、研究開発成果の最大化を効果的に実現している。
枠組み | 概要 | 保証 |
---|---|---|
重点利用 | プロジェクト要請などJAXAの戦略的な取り組み利用 | 50% |
一般利用 | 一般的な研究開発課題の利用 | – |
小規模利用 | 試験的・萌芽的な小規模計算(事業コードの設定不要) | 4% |
JSS大学共同利用 | 大学共同利用設備としての利用 | 5% |
設備共用 | 民間等外部機関による有償利用 補足2 (無償トライアルユース制度あり) |
10% |
注 集計対象はTOKI-SORA
複数利用枠に属する課題あり
図3: JSS利用枠組み別利用率年度推移
2021年度重点利用課題の実績
図4: 2021年度 利用枠組み別利用割合
FY2016に開始した「重点利用の割合50%以下」という一般利用を圧迫させないためのルールをFY2021に初めて超過した。
FY2016 | FY2017 | FY2018 | FY2019 | FY2020 |
19% | 39% | 42% | 47% | 50% |
部門別の実績
研究開発部門は、基礎研究も含まれるが宇宙輸送技術部門のプロジェクト支援もあり、2021年度JSS3の2部門合計は全体の約40%に達している。航空技術部門は毎年40%以上を占め、JSSの利用は航空部門から宇宙部門に広がっている。
注 集計対象はTOKI-SORA
図5: JSS利用部門別利用率年度推移
可視化技術
可視化技術は、計算結果をより正確にできるだけ早く解析するために必須の技術である。スーパーコンピュータ活用課では、JSS3/TOKI-RURIに各種可視化ツールを用意しており、利用者は研究内容に合わせた可視化を行うことができる。
● 大規模計算結果の可視化
計算結果がある程度以上のサイズになり通常の可視化環境で可視化できなくなる場合には、可視化チームが適切な方法をアドバイスしている。複雑な大規模模可視化の例を下図に示す。
図6: 航空機解析コア技術開発
図7: H3ロケットの打ち上げ時の
射場周りのシミュレーション
● 可視化の新技術
新可視化技術の利用を進めており、3Dプリンタを利用した立体的可視化技術は、数値シミュレーション結果を立体化することにより、今まで理解しづらかった複雑な流れの形状でも直感的に把握することが出来る。
図8: 透明樹脂を使った3Dプリンタモデル
(航空機ランディングギア周り)
(航空機のバフェット解析)
MR(Mixed Reality)技術を使った可視化技術は、3次元ホログラムの数値シミュレーション結果を特殊なデバイスに表示させることにより、複数の研究者が多点間から同時に同じ計算結果を確認することを可能とする。
図10: HoloLens2を使った計算結果の表示 (2基の風車の解析)
補足 JSS3設備供用有償利用単価
項目 | 料金 | |
直接経費 | 基本利用料 | 11,926円/月 |
ノード利用料 | SORAシステム単価 0.49393 円/(コア・時) RURI(ST)システム単価 1.6958 円/(コア・時) RURI(GP)システム単価 7.4453 円/(コア・時) RURI(XM)システム単価 27.568 円/(コア・時) RURI(LM)システム単価 4.0524 円/(コア・時) RURI(TST)システム単価 1.6958 円/(コア・時) TRURI(TGP)システム単価 7.4453 円/(コア・時) TRURI(TLM)システム単価 4.0524 円/(コア・時) (SORAシステムは、500(ノード・時)を超える利用時間が課金対象) |
|
ファイル利用料 | ファイル単価 0.14220 円/(GB・月) (500(GB・月)を超える割当て容量が課金対象. また, JAXAが認めた容量に限る) |
|
アーカイバ部利用料 | アーカイバ部単価 0.16302 円/(GB・月) (但し、最大400TBまで) |
|
一般管理費 | 直接経費の9.1% |
※別途、請求時に法定消費税額を加算する。
※負担額の算出時に1円未満の端数が生じた時は、算出額ごとにその端数金額を切り捨てるものとする。
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)