火星ヘリコプタの概念設計およびブレード形状最適化に関する研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)
報告書番号: R21JCMP14
利用分野: 競争的資金
- 責任者: 牧野好和, 航空技術部門航空プログラムディレクタ付
- 問い合せ先: 東京都立大学 金崎雅博(kana@tmu.ac.jp)
- メンバ: 金崎 雅博, 菊地 大輔, 岸 祐希, 木村 桂大, 杉浦 正彦, 菅原 瑛明, 竹川 国之, 田辺 安忠
事業概要
本事業では, 火星探査用6ロータヘリコプタに最適なブレード形状を求めることを目的とした研究を実施した. Efficient Global Optimizationによる最適化法とClass Shape Transformationによる翼型定義法を用いた. 最適設計時の評価には, FaSTARを用いた2次元計算を行い, ローターブレードとしての性能評価にはrFLow3Dを用いた. NASA JPLのIngenuityが採用したCLF5605翼型を参照し, 比較を行い, 優位に性能が向上した翼型TMU21k3-1を取得した.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
JAXA提供ツールである, FaSTARとrFlow3Dを効果的に用いるため, 応用事例が多く, チューニングが十分になされているJAXAスーパーコンピュータの利用が必要であった.
今年度の成果
Efficient Global Optimizationによる最適化法とClass Shape Transformationによる翼型定義法を用いた最適設計を実施した. 最適設計時の評価には, FaSTARを用いた2次元計算を行い, ローターブレードとしての性能評価にはrFLow3Dを用いた. NASA JPLのIngenuityが採用したCLF5605翼型を参照し, rFlow3Dを用いた評価結果(図1)より, ホバリング性能において優位に性能が向上(図2)した翼型TMU21k3-1を取得できた.

図2: 今年度設計したHAMILTONのブレード翼型のCT-FoM線図. 最適設計によって既存翼型(CLF5605)を上回る性能のブレード翼型を獲得した. Figure of MeritはrFlow3Dによる3次元計算によって算出した.
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 36
- 1ケースあたりの経過時間: 96 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.31
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 445107.73 | 0.02 |
TOKI-ST | 1935150.66 | 2.38 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 583.66 | 0.04 |
TOKI-TST | 322004.80 | 6.76 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 2155.31 | 2.14 |
/data及び/data2 | 32767.23 | 0.35 |
/ssd | 1668.94 | 0.43 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 10.76 | 0.07 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 51.68 | 0.04 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)