(新分野)ウェアラブルUAV
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)
報告書番号: R21JDA201S01
利用分野: 航空技術
- 責任者: 中村俊哉, 航空技術部門航空基盤技術統括
- 問い合せ先: 和田 大地(wada.daichi@jaxa.jp)
- メンバ: 和田 大地
事業概要
山岳救助や災害救助の現状では, 少ない情報に基づいて救助計画を立てていることで, オペレーション全体の効果や安全性が限定されることがある. そこで, 迅速に隊員を現場投入できるヒト飛行システムを研究開発する. 情報収集や現場判断により確度の高い救助計画を可能にする.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
飛行システムの制御器を深層強化学習により生成するが, そのためにJAXAスパコンを利用する. 深層強化学習ではマルチコアによる並列計算が必要であり, 加えてパラメータスタディのために複数ジョブを実行できれば効率的である. これらを可能にする点で, スパコンの大きな利点がある.
今年度の成果
深層強化学習を適用し, 水平飛行-ホバリングの遷移飛行制御を行った.
遷移飛行では大きな姿勢変化による強い空力非線形が生じる. そのため, 360度の空力非線形モデルを用いた学習を行った.
報酬関数では目標地点にとどまることしか報酬関数に設計しておらず, ホバリング姿勢を取ることを明に指示していないが, それにも関わらずニューラルネットワークは自律的に, 滑らかな遷移によりホバリングする制御を達成した(図1).
この学習効果を拡大解釈し, 同じNNを目標追跡(図2)やきりもみ状態からの姿勢回復(図3)に応用したところ, それぞれの目的にも適用可能であることが発見された.
図1(ビデオ): 水平飛行-ホバリングの遷移飛行制御結果. 目標地点(青)に向かって, 滑らかに遷移できている.
図2(ビデオ): 動く目標地点(青)の追跡結果. 水平飛行とホバリングの遷移を繰り返し, 追跡できている.
図3(ビデオ): きりもみ状態からの回復結果. 初期角速度を与えてシミュレーションを開始し, 制御をONにすると, 姿勢を回復し, 目標地点(青)へ帰還できた.
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: OpenAI Gym 及び PyTorch の実装に依る.
- スレッド並列手法: OpenAI Gym 及び PyTorch の実装に依る.
- プロセス並列数: 1 – 36
- 1ケースあたりの経過時間: 48 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.04
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 0.00 | 0.00 |
TOKI-ST | 19444.81 | 0.02 |
TOKI-GP | 54510.30 | 36.22 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 1728.02 | 0.13 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 5.00 | 0.00 |
/data及び/data2 | 50.00 | 0.00 |
/ssd | 50.00 | 0.01 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)