低レイノルズ数・高マッハ数条件下における空力解析及び流れ場に関する研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)
報告書番号: R21JACA18
利用分野: JSS大学共同利用
- 責任者: 森澤征一郎, 沖縄工業高等専門学校
- 問い合せ先: 森澤 征一郎(morizawa@okinawa-ct.ac.jp)
- メンバ: 森澤 征一郎, 松野 隆
事業概要
現在, 火星大気中や地球環境の成層圏のような高々度大気中を飛行する無人航空機の研究が盛んに行われている. これらの環境では, 大気密度が地上付近と比べて非常に小さく, 大気温度も小さい. そのため, 流体力学的な流れ場としては, 低レイノルズ数かつ高マッハ数となり, 既存の航空機の流れ場と大きく異なる. 申請者は低レイノルズ数・低マッハ数の流れ場とは異なり, 翼面上の剥離した流れが安定化することで空力特性が悪化するが, 薄翼などでその傾向がより顕著であることを明らかにした. 本事業では, このような低レイノルズ数かつ高マッハ数条件下での境界層制御と関連した空力デバイスに関する空力特性と流れ場の関係を調査ことを目的とする.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
CFDによる3次元形状に対するパラメトリックスタディは計算コストが非常に高い. そのため, スパコンのような大規模なメモリ及びCPUでの計算が不可欠であり, JSS3を利用した.
今年度の成果
今年度は, 昨年度に続いて鳥類の形状を模倣し翼端を複数分岐させた隙間のある翼端デバイスwing_grid(図1)のマッハ数0.20(低亜音速・非圧縮性流れ)及び0.74(遷音速・圧縮性流れ)の計算を実施し, 両ケースの違いを考察した. 図2に迎角6°でのwing_gridの翼上面部での圧力分布を示す. このとき, wing_gridのそれぞれの翼端から生じる流線を異なる色で表示させた. その結果, マッハ数が0.20と0.74の両ケースで翼端渦が発生することが確認され, 特に翼端の一番目では圧力 が小さくなった. そこでは, 翼端渦が強化されている様子が流線より確認できた.
成果の公表
-査読付き論文
Seiichiro Morizawa and Shigeru Obayashi, Evaluation of a Planar Wing with Wing Grid using CRM.65.airfoil, 沖縄工業高等専門学校紀要, pp.1-14.(投稿中)
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: 非該当
- スレッド並列手法: 自動並列
- プロセス並列数: 1
- 1ケースあたりの経過時間: 300 分
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.00
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 19816.39 | 0.00 |
TOKI-ST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 170.00 | 0.17 |
/data及び/data2 | 3446.67 | 0.04 |
/ssd | 66.67 | 0.02 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)