機械学習による乱流の予測とモデル化
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)
報告書番号: R21JACA39
利用分野: JSS大学共同利用
- 責任者: 犬伏正信, 東京理科大学
- 問い合せ先: 犬伏正信(inubushi@rs.tus.ac.jp)
- メンバ: 後藤 晋, 犬伏 正信, 中谷 謙介
事業概要
航空機周りの流れや惑星大気の流れなど, 航空宇宙分野の科学技術に現れる流れの多くは発達した乱流状態にある. そのような乱流のシミュレーションは重要であるが, ナビエ-ストークス方程式の直接数値計算は現実的に困難であり, 乱流モデルが使用されている. 近年, 機械学習を用いた乱流モデルの研究が活発に進められており (Duraisamy, Iaccarino, and Xiao, 2019), 将来的に航空宇宙分野における要素技術となることが予想される. そこで本研究では, 乱流力学に基づく演繹的な手法と, データに基づく帰納的な手法を組合わせ, 新たな乱流予測技術・モデルを構築することを目的とする.またその基礎となる乱流の予測可能性に関する基礎的研究も行う.
参照URL
https://www.rs.tus.ac.jp/~inubushi/ 参照.
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
乱流運動の予測やモデル化は, 航空宇宙分野の科学技術において重要である. 本研究の対象である機械学習を用いた手法では, 教師データとなる高精度かつ長時間の乱流データが必須である.そこでJAXAスーパーコンピュータの大規模な計算機環境を活用し, ナビエ-ストークス方程式の直接数値計算によって教師データを生成するため.
今年度の成果
今年度は乱流の基礎的性質として予測可能性について計算を行い, リヤプノフ解析によってその軌道不安定性を特徴づけた. 図1 (a)は3次元の計算領域(周期箱)を示しており, 赤色の管状領域が乱流中の最小渦, 青色の領域が不安定モード(リヤプノフベクトル)を表す. 図1 (b)はその一部の拡大図であり, 不安定モードが最小渦周りに局在しており, 特に典型的には双極子型構造をとっていることが明らかになった.
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 16 – 64
- 1ケースあたりの経過時間: 30 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.00
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 1038.15 | 0.00 |
TOKI-ST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 49.00 | 0.05 |
/data及び/data2 | 5320.00 | 0.06 |
/ssd | 250.00 | 0.06 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)