次世代ジェットエンジンの設計解析技術開発/低騒音化技術
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)
報告書番号: R21JA0716
利用分野: 航空技術
- 責任者: 石井達哉, 航空技術部門航空環境適合イノベーションハブ
- 問い合せ先: 榎本俊治(enomoto.shunji@jaxa.jp)
- メンバ: 榎本 俊治, 生沼 秀司, 長井 健一郎, 大木 純一, 石井 達哉
事業概要
超高バイパス比航空用ジェットエンジンでは, 吸音ライナの面積は従来のエンジンに比べて小さい. 本事業では, 面積が狭い吸音ライナでも高い騒音低減性能をもたらす吸音デバイス技術を開発する.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
吸音ライナ形状と入射音周波数を変化させて多数のLES計算を行うため, JAXAスパコン の計算性能とストレージ容量が必要だった.
今年度の成果
本研究では航空用ジェットエンジンの騒音を低減するために用いられる吸音ライナに音を入射させたときに起きる現象の数値シミュレーションを行っている. 今年度は, 音圧が高くない場合は現象が線形であることを利用してインパルス応答法の数値シミュレーションを試みた. このシミュレーションは時間領域で行うものであるが結果として周波数領域の音圧の振幅や位相を容易に得ることができる. 図は一つ孔の吸音ライナのあるフローダクトに流れが無い状態で左から右に平面波の音を入射させた時の音場の振幅(図1)と位相(図2)が, 入射音の周波数によってどのように変化するかを動画で表したものである. この解析方法を用いることで吸音ライナで発生している音響現象の理解が容易になった.
図1(ビデオ): 吸音ライナに右から左に平面波の音を入射させたときの音の振幅
図2(ビデオ): 同じく, 音の位相
成果の公表
-査読なし論文
榎本 俊治, 生沼 秀司, 長井 健一郎, 大木 純一, 石井 達哉, 吸音ライナの数値解析においてインパルス応答法を用いた吸音率の評価, 第54回流体力学講演会/第40回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム, 2022 (発表予定)
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 4 – 160
- 1ケースあたりの経過時間: 300 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.56
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 13229403.23 | 0.64 |
TOKI-ST | 786.08 | 0.00 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 17.03 | 0.02 |
/data及び/data2 | 3816.60 | 0.04 |
/ssd | 764.73 | 0.20 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 26.93 | 0.18 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 278.63 | 0.20 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)