ラムジェットエンジンの燃焼数値解析手法の技術習得
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2020年4月~2021年3月)
報告書番号: R20JTET50
利用分野: 技術習得方式
- 責任者: 青山剛史, 航空技術部門数値解析技術研究ユニット
- 問い合せ先: 内山 和哉(kazuchiyama@toki.waseda.jp)
- メンバ: 内山 和哉
事業概要
極超音速旅客機の実現を目指した研究開発の第1 段階, 極超音速統合制御実験(HIMICO) がJAXA と大学により進められている. 本計画では気体水素を燃料とするラムジェットエンジンを用いる. 2017 年以降の燃焼試験では自己着火に成功しておらず, 実験回数の制約および燃焼実験設備の制約による実験データの不足や飛行条件と実験条件の相違といった課題がある. そこで, 実験データの補間や着火・保炎等の燃焼現象の把握のために数値解析を行う.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
格子点数1000万点以上の実機スケールで詳細化学反応を考慮したLESを行うと, 計算コストが高くなる. 並列処理が可能なJAXAスーパーコンピュータを用いることで, 現実的な時間での解析が可能になった.
今年度の成果
昨年度までの解析結果から, 燃焼器内に気体水素燃料を供給するインジェクタの壁面温度が着火に影響を与えることがわかった. これを踏まえて, 今年度は燃焼試験時に自己着火が起きなかったケース(主流空気温度738 K)の解析を行い, インジェクタ壁面の温度境界条件を低温(300 K)等温壁に設定した際の着火の有無を検証した. ソルバには, JAXAの高速流体解析ソルバFaSTARを基にして, 化学種の輸送方程式およびArrehenius型反応モデルを実装して当研究室で開発された反応性流体解析ソルバを用いた. 解析の結果, 着火が確認されたものの, 昨年度解析を行ったケース(主流空気温度800 K)に比べて, 着火までの時間が約2.2倍になった.
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 1024
- 1ケースあたりの経過時間: 250 時間
JSS2利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.38
内訳
JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
SORA-MA | 1,760,665.74 | 0.33 |
SORA-PP | 53,187.77 | 0.42 |
SORA-LM | 3,548.38 | 2.08 |
SORA-TPP | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 238.42 | 0.22 |
/data | 4,882.81 | 0.09 |
/ltmp | 976.56 | 0.08 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.01 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.01
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 2,338.13 | 0.00 |
TOKI-RURI | 16,039.79 | 0.09 |
TOKI-TRURI | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 238.42 | 0.16 |
/data | 4,882.81 | 0.08 |
/ssd | 47.68 | 0.02 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.01 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2020年4月~2021年3月)