複雑形状まわりの高レイノルズ数LESに向けた超高次精度非構造格子法に関する研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2020年4月~2021年3月)
報告書番号: R20JACA38
利用分野: JSS大学共同利用
- 責任者: 淺田啓幸, 東北大学工学研究科
- 問い合せ先: 淺田 啓幸(h.asada@tohoku.ac.jp)
- メンバ: 淺田 啓幸
事業概要
本研究の目的は, 複雑形状まわりの高レイノルズ数流れの高精度LESに向けて, 高次精度非構造格子であるdiscontinuous Galerkin(DG)法をベースとしたソルバーを開発することである.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
本研究が目指すDG法によるLES解析は, 膨大な数の計算格子を用いた大規模解析なため, 実現するためにはスパコンが必須である. また, DG法は大規並列計算で高い実行効率を実現でき, スパコン上でその真価を発揮する.
今年度の成果
今年度は超高次精度DG法として空間8次精度DGを構築し, 円柱まわりの流れのLES解析を行うことで, LESへの適用可能性について調査した. 高次精度DG法を用いたLES解析では, 格子で解像できないスケールの流れを解く際に数値不安定性が発生することが知られている. 本研究では, まず従来通りに空間8次精度DG法を構築し, 円柱まわりの流れ(直径ベースのレイノルズ数が3900)のLES解析に適用することで, この数値不安定性が本当に発生することを確認した. また, その不安定性の様子から, 粘性項に問題があると考え, DG法で粘性項の離散化として広く使われている2nd Bassi-Rebay法(BR2法)について再考した. その結果, BR2法で用いている大幅な近似が数値安定性に悪影響を与えている可能性があると考え, 大幅な近似を行わないBR1法による離散化の方が安定であると考えた. 実際にBR1法を空間8次精度DG法に実装し, 円柱まわりの流れのLES解析を行ったところ, BR2法よりも安定に解析が行えた. 図1および図2は, BR1法を用いた空間4次精度と空間8次精度のDG法による円柱まわりの流れ場のLES解析結果である.
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 700 – 5250
- 1ケースあたりの経過時間: 125 時間
JSS2利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.00
内訳
JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
SORA-MA | 18,640.92 | 0.00 |
SORA-PP | 0.00 | 0.00 |
SORA-LM | 0.00 | 0.00 |
SORA-TPP | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 2.38 | 0.00 |
/data | 2,441.41 | 0.05 |
/ltmp | 488.28 | 0.04 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.14
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 758,497.79 | 0.16 |
TOKI-RURI | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TRURI | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 2.38 | 0.00 |
/data | 2,441.41 | 0.04 |
/ssd | 23.84 | 0.01 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2020年4月~2021年3月)