Embedded LESに関する研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月～2020年3月)
報告書番号: R19JTET21
利用分野: 技術習得方式
- 責任者: 青山剛史, 航空技術部門数値解析技術研究ユニット
- 問い合せ先: 小島良実, 東京農工大学 機械システム工学専攻(y-kojima@st.go.tuat.ac.jp)
- メンバ: 小島 良実
事業概要
本事業では, 遷音速バフェットや空力騒音のような非定常空力現象のシミュレーションを低い計算負荷で実行するための技術の開発に取り組んでいる. Embedded LES法を用いて局所的な非定常シミュレーションを行うことにより, 高精度かつ低計算コストなシミュレーションの実現を目指している.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
ELES法の研究にはその動作を検証するために大規模な乱流場のシミュレーションが不可欠であり, スーパーコンピュータを利用することで研究を大幅に促進することができる.
今年度の成果
本年度は3次元非定常流れ場の高精度シミュレーションに向けた技術開発の一環として, Embedded LES法の高度化に取り組んできた. 数値解析ソルバーのコードおよび数値解析手法を改良することで, スラット周り流れのような複雑な流れ場に対してもEmbedded LESを適用することが可能になった.
図1: ELES法の概念図
図2: スラット周り流れにおけるELES法の適用 (後縁部, コンターは奥行き方向流速)
図3: スラット周り流れにおけるELES法の適用 (カスプ部, コンターは奥行き方向流速)
成果の公表
-口頭発表
Kojima, Y., Ishida, T., Hashimoto, A. & Aoyama, T., "Numerical Simulation of Unsteady Flow over a 30P30N Slat by Embedded-LES," AIAA Scitech 2020 Forum (2020) AIAA2020-2065.
JSS2利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 1024 - 1728
- 1ケースあたりの経過時間: 300 時間
利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.11
内訳
JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。
| 計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| SORA-MA | 675,465.42 | 0.08 |
| SORA-PP | 49,231.91 | 0.32 |
| SORA-LM | 61.91 | 0.03 |
| SORA-TPP | 0.00 | 0.00 |
| ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| /home | 47.68 | 0.04 |
| /data | 12,207.04 | 0.21 |
| /ltmp | 976.56 | 0.08 |
| アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| J-SPACE | 97.58 | 2.46 |
※1 総資源に占める利用割合：3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月～2020年3月)