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ターボポンプ解析技術

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月~2020年3月)

報告書番号: R19JG3214

利用分野: 研究開発

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  • 責任者: 嶋英志, 研究開発部門第三研究ユニット
  • 問い合せ先: 根岸 秀世(negishi.hideyo@jaxa.jp)
  • メンバ: 根岸 秀世, 大野 真司, 福田 太郎, Andrea Zambon, Ashvin Hosangadi

事業概要

ターボポンプは液体ロケットエンジン開発においてコストや期間, リスクの観点で依然としてボトルネックなコンポーネントです. また, ターボポンプはそれ自体がポンプ, タービン, 軸受, 軸推力バランス機構, シール機構等のサブコンポーネントで構成される複雑なシステムであり, ターボポンプシステム全体を評価できる解析技術は世界的にも存在していません. またサブコンポーネントレベルの数値シミュレーション技術自体も, 予測精度が低いため試験による設計妥当性評価が必須となっています.

本研究では, ターボポンプに係る数値シミュレーション技術の予測精度を高めつつ, ターボポンプシステム全体の評価を可能とする解析技術を目指しています. その解析技術の活用により, 試験削減・代替を可能として今後のロケットエンジン開発をより低コスト, 短期間で実現します. また, ロケットエンジンのポンプやタービンは, 一般産業界のものより小型で高速回転など極限環境で使われるために効率が低いことが知られています. 近年ではAdditive manufacturing技術の進展により, 従来では不可能であった形状の製品開発も可能となってきており, 本研究で構築するターボポンプ解析技術を活用することで, 革新的な高効率ターボポンプの設計実現を目指します.

参照URL

数値シミュレーション技術|第三研究ユニット(旧 情報・計算工学センター)」参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

・JAXAの技術でしか実現できない計算精度, 現象忠実度が高い大規模解析を可能とすること

・JAXAにおけるロケット開発の中でタイムリーに解析を実施し, 限られた期間内に結果を多数提示すること

・機微情報となるロケット関連情報をJAXA内のみで閉じて扱えること

今年度の成果

FY2019は, 昨年度までに構築したNISTデータベースに基づく極低温物性を考慮可能とした3次元圧縮性URANS解析について, 液体ロケット水素および酸素ポンプを対象に検証を実施した. 解析結果は過去のターボポンプ試験結果と比較し, ポンプ内部圧力を4%以内の精度で予測できることを確認した. またDLR共同研究の一環でFY2020実施予定の超音速タービン試験の事前評価解析を実施し, CFD解析の検証データ取得に際して供試体形状や計測点位置について提案を行った.

ここで構築された解析技術は, H3ロケット1段エンジンLE-9のターボポンプ開発に活用されている.

Annual Reoprt Figures for 2019

図1: 超音速タービンの圧力分布

 

成果の公表

-査読なし論文

(1) Negishi, H., et al., "LUMEN Turbopump -Preliminary CFD Analysis of a Supersonic Turbine with Axisymmetric Nozzles," 32th International Symposium on Space Technology and Science, ISTS 2019-a-08, Fukui, Japan,June. 15-21, 2019.

(2) Negishi, H., et al., "Numerical Study of Tip Clearance Effects in a Centrifugal Pump with Unshrouded Impeller for Liquid Rocket Engines," AIAA Propulsion and Energy Forum, AIAA paper 2019-4433, Indianapolis, IN, August 19-22, 2019.

(3) 根岸ほか, "ロケット用液体水素オープンインペラの翼端隙間効果に関する数値解析," 第81回ターボ機械協会 岡山講演会, 2019年9月.

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: FLAT並列
  • プロセス並列数: 128 - 16000
  • 1ケースあたりの経過時間: 300 時間

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.51

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 4,396,117.93 0.53
SORA-PP 17,332.89 0.11
SORA-LM 1,069.75 0.45
SORA-TPP 847.35 0.05

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 482.46 0.40
/data 31,272.39 0.54
/ltmp 17,115.11 1.45

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 3.90 0.10

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月~2020年3月)


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所在地

JAXA(宇宙航空研究開発機構) 調布航空宇宙センター
所在地 〒182-8522 東京都
調布市深大寺東町7-44-1