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機械学習による流体運動の予測と最適化

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月~2020年3月)

報告書番号: R19JACA39

利用分野: JSS2大学共同利用

PDFはここからダウンロード

  • 責任者: 犬伏正信, 大阪大学
  • 問い合せ先: 犬伏正信(inubushi@me.es.osaka-u.ac.jp)
  • メンバ: 犬伏 正信, 後藤 晋, 小橋 敬太, 小西 幹人, 渡邊 大記

事業概要

航空機周りの流れや惑星大気の流れなど, 航空宇宙分野の科学技術に現れる流れの多くは発達した乱流状態にある. そのような乱流の直接数値計算は現実的には困難であり, 物理的な知見に基づく乱流モデルが使用されている. 近年, 機械学習を用いた乱流モデルの研究が活発に進められており (Duraisamy, Iaccarino, and Xiao, 2019), 将来的に航空宇宙分野における要素技術となることが予想される. そこで本研究では, 乱流物理に基づく演繹的な手法と, データに基づく帰納的な手法を組合わせ, 新たな乱流予測技術・モデルを構築することを目的とする.

参照URL

M. Inubushi」参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

乱流運動の予測やモデル化は, 航空宇宙分野の科学技術において重要である. 本研究の対象である機械学習を用いた手法では, 流体方程式の直接数値計算による高解像度データ(教師データ)の乱流データの取得が必須である. 大規模な計算機環境を利用し, 教師データの計算のためにJAXAのスーパーコンピュータを使用する.

今年度の成果

近年, 機械学習を用いた乱流モデルの研究が急速に進展しており, 将来的に重要な技術になることが予想される. 機械学習によって乱流モデルを得るためには, 乱流の直接数値計算による長時間のデータ(教師データ)が必要である. ところが, 実用上重要な発達した乱流においてそのような教師データを得ることは難しい. そこで今年度は, 短時間の乱流データを効率的に用いることで乱流の状態推定を行う手法(転移学習法)を開発し, 3次元周期箱乱流の直接数値計算のデータを用いて提案法の有効性を示した. 今年度の成果は, 機械学習を用いた乱流モデルの要素技術となることが期待できる.

成果の公表

-査読付き論文

Masanobu Inubushi and Susumu Goto, Transferring Reservoir Computing: Formulation and Application to Fluid Physics, Lecture Notes in Computer Science 11731, 193, Springer (2019).

-招待講演

(1) Keita Kohashi, Masanobu Inubushi, and Susumu Goto, Reservoir computing harnessing spatiotemporal nonlinear dynamics, Nonlinear Theory and Its Applications (NOLTA2020).

(2) 犬伏正信, リザーバコンピューティング -力学系を用いた機械学習の数理と応用-, シンポジウム「数理科学におけるデータサイエンスの展望」 (2019).

-口頭発表

(1) 犬伏正信, 後藤晋, 乱流の普遍性に基づく転移学習, 第2回先進的ながれ研究会2019.

(2) 犬伏正信, 後藤晋, 乱流の普遍性に基づく転移学習:乱流モデリングのためのエネルギー散逸率推定, 日本機械学会 2019 年度年次大会.

(3) 犬伏正信, Reservoir Computing – theory, applications, and physical implementations -, 大阪大学MMDSワークショップ『工学と数学の接点を求めて』 (2019).

(4) 後藤晋, 犬伏正信, リザーバコンピューティングを用いた乱流エネルギー散逸率の予測, 第33回数値流体力学シンポジウム.

(5) 犬伏正信, 小橋敬太, 後藤晋, 流体運動の時空間ダイナミクスを用いたリザーバコンピューティング, 日本物理学会 第75回年次大会.

-ポスター

(1) Masanobu Inubushi and Susumu Goto, Transferring Reservoir Computing: Formulation and Application to Fluid Physics, The 28th International Conference on Artificial Neural Networks.

(2) Masanobu Inubushi and Susumu Goto, Transferring reservoir computing: formulation and application to fluid physics, Deep Learning and Physics 2019.

(3) 犬伏正信, 小橋敬太, 後藤晋, “ながれ”を使った新しい人工知能 カオス状態推定・音声認識・しくみの理解に向けて, 第4回大阪大学豊中地区研究交流会.

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 自動並列
  • プロセス並列数: 64
  • 1ケースあたりの経過時間: 24 時間

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.00

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 7,954.70 0.00
SORA-PP 526.60 0.00
SORA-LM 0.00 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 56.27 0.05
/data 5,168.92 0.09
/ltmp 6,835.94 0.58

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月~2020年3月)