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圧縮性境界層における層流-乱流遷移後期過程の非線形渦動力学の解明

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月~2020年3月)

報告書番号: R19JACA13

利用分野: JSS2大学共同利用

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  • 責任者: 松浦一雄, 愛媛大学大学院理工学研究科生産環境工学専攻
  • 問い合せ先: 松浦一雄(matsuura.kazuo.mm@ehime-u.ac.jp)
  • メンバ: 松浦 一雄

事業概要

音速の5倍以上の速さを有する極超音速流れが物体回りに形成する粘性境界層流れにおける層流から乱流への遷移過程は, 我々が普段経験する低速流れの遷移と比較して, 境界層の内部で音速より遅い領域と音速以上の領域が混在するなど密度変動や温度変動といった複雑因子が多く, それらの相互作用も多彩となるため, その渦動力学に関する詳細解明の発展が期待されている. 本研究では, 極超音速流れで見られる圧縮性境界層における層流―乱流遷移の直接シミュレーションを実施し, 後期過程における非線形渦動力学を解明することが目的である. 同時に, 後期過程を担う渦を直接的に誘起する方法論の開発およびその数値計算法の開発を行っている.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

極超音速流れにおける境界層遷移は, 風洞自体による擾乱環境が存在し実験計測が困難であるため遷移現象の解明のためには数値シミュレーションが中心的な研究手段となる. 一方で, 境界層遷移は擾乱に敏感であり, また極超音速流れの強い圧縮性によって遷移が起こりにくくなるため, 高精度な大規模計算を短期間で可能にする最新鋭のスパコンが研究のフロンティアを牽引する役割を担っている

今年度の成果

主流乱れ下にある境界層遷移の過程で作られるヘアピン渦(図1)の動力学を解明するため, スケルトン化, 数式項の分解および主要項の再統合によってヘアピン渦周りの主要動力学を評価する新たな手法を提案した. 本方法は, ヘアピン渦の発展に伴う局所動力学を支配する主要数式項集合の変化の機械的発見と分類を可能にする.

Annual Reoprt Figures for 2019

図1: スケルトン点および速度勾配テンソルの第二普遍量によって表されたヘアピン渦およびサテライト渦 (青点)の時間発展(主流乱れ度0.5%). 等値面上の色はマッハ数. (a) t=258.0δin/u∞ (b) t=281.5δin/u∞ (c) t=305.0δin/u∞

 

成果の公表

-査読付き論文

Kazuo Matsuura, “Algorithmic Exploration of Dominant Terms Around Hairpin Vortices Generated During Boundary-Layer Transition Under Free-Stream Turbulence,” Int. J. Environ. Impacts, Vol. 3, No. 1 (2020).

-査読なし論文

松浦一雄, 福本康秀「遷移境界層におけるヘアピン渦クラスタリングの研究」, 第24回日本流体力学会中四国・九州支部講演会, pp. 1-2 (2019).

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 自動並列
  • プロセス並列数: 16 – 64
  • 1ケースあたりの経過時間: 168 時間

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.00

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 7,281.63 0.00
SORA-PP 0.00 0.00
SORA-LM 0.00 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 9.54 0.01
/data 95.37 0.00
/ltmp 1,953.13 0.17

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月~2020年3月)