プラズマアクチュエータによる能動的空力制御
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月～2020年3月)
報告書番号: R19JA1477
利用分野: 航空技術
- 責任者: 浜本滋, 航空技術部門空力技術研究ユニット
- 問い合せ先: 青木 良尚(aoki.yoshihisa@jaxa.jp)
- メンバ: 青木 良尚, 青野 光
事業概要
プラズマアクチュエータを用いた剥離制御の研究
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
JAXAスパコン利用の理由は, プラズマアクチュエータによる流れ制御技術の構築およびその効率向上のために翼とフラップまわりの詳細な流れ場を理解し, 制御効果を明らかにする必要がある. それらを実現するために大規模な数値シミュレーションが必要であり, またそのデータの詳細解析を行うことで新しい制御手法や物理現象の解明などに繋がる可能性を秘める.
今年度の成果
本年度の成果は, (1)フラップ付きのNACA0012翼の基礎的な流れ場の特性に関する知見と(2)母翼後縁にプラズマアクチュエータを取り付けた流体制御シミュレーションから得たその制御効果に関する基礎的な知見である. 流れの計算条件はレイノルズ数130,000, 迎角0, -3度である. 本条件では制御の有無に関わらず流れ場は翼の上下面で剥離する. 上面側では母翼後縁付近, 下面側では母翼の半翼弦長付近から剥離が生じ, 剥離せん断層より渦が放出され, 渦が崩壊する流れになっている. 制御有りの場合, フラップ上面側の剥離せん断層から放出される渦にプラズマアクチュエータの制御効果により影響が見られた. 今後は, 今回の解析結果を基にバースト周波数の影響などのプラズマアクチュエータの作動条件の影響を調べていきたい.
成果の公表
なし
JSS2利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 自動並列
- プロセス並列数: 1563
- 1ケースあたりの経過時間: 200 時間
利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.14
内訳
JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。
| 計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| SORA-MA | 1,245,586.03 | 0.15 |
| SORA-PP | 6,137.56 | 0.04 |
| SORA-LM | 235.98 | 0.10 |
| SORA-TPP | 0.00 | 0.00 |
| ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| /home | 51.66 | 0.04 |
| /data | 2,223.65 | 0.04 |
| /ltmp | 569.66 | 0.05 |
| アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| J-SPACE | 0.48 | 0.01 |
※1 総資源に占める利用割合：3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2019年4月～2020年3月)