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非線形フォースフリー磁場計算による「ひので」観測に基づく太陽コロナ磁場推定

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)

報告書番号: R18JU0912

利用分野: 宇宙科学

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  • 責任者: 斎藤義文, 宇宙科学研究所太陽系科学研究系
  • 問い合せ先: 清水敏文(shimizu.toshifumi@jaxa.jp)
  • メンバ: 川畑 佑典, 清水 敏文, 長谷川 隆祥

事業概要

太陽系最大の爆発現象である太陽フレアの発現機構を理解することを目的とする.

太陽観測衛星「ひので」で観測された太陽表面磁場を用いて3次元の磁気流体力学計算を行うことで, 上空のコロナにおける3次元磁場構造を推定する.

推定された3次元磁場構造とフレア発生の関係を探る.

参照URL

ひのでプロジェクトのホームページ:TOP PAGE」参照.

JSS2利用の理由

スパコンの大規模計算環境を利用して太陽観測衛星「ひので」の高空間分解能の磁場を用いた3次元の磁気流体力学計算によるフォースフリー磁場モデリングを行う. 3次元の磁気流体力学計算を用いて, 3次元磁場の緩和を行うため, 多くの計算資源が必要となる.

今年度の成果

表面磁場の観測からコロナの3次元磁場構造を外挿する非線形フォースフリー磁場(NLFFF)モデリングが有効な手段となる. 太陽コロナではローレンツ力のみで力学的平衡が成り立つとするフォースフリー近似(∇xB(x)=α(x)B(x))が妥当である. 観測された光球磁場データを境界条件として与え, この非線形の方程式を数値計算で解く事で, 3次元磁場情報を得る事ができる. しかし, 光球ではこのフォースフリー近似が破綻しているという指摘があり (Gary 2002), 上空の磁場がNLFFFモデリングでどれだけ正確に再現できているかは定かではない. 今年度は光球の約1000 km上空の彩層磁場の直接観測に取り組み, 光球から外挿した彩層磁場と直接観測の比較を行なった. その結果, 図1の黒四角部分で見られるように直接観測した彩層磁場は外挿結果に比べてねじれた傾向があることを明らかにした. 磁場のねじれはより強い磁気エネルギーを意味し, NLFFFモデリングで推定されていた以上に上空には高い磁気エネルギーが存在する可能性があることを示した.

Annual Reoprt Figures for 2018

図1: グレースケール:太陽面に対して垂直な磁場分布, 緑矢印:水平磁場分布. 左上:「ひので」で観測された活動領域の光球磁場. 右上:光球磁場から外挿した彩層高度のポテンシャル磁場 (最低エネルギー状態). 左下:光球磁場から外挿した彩層高度の非線形フォースフリー磁場. 右下:地上望遠鏡「VTT」で観測された彩層磁場.

 

成果の公表

-査読付き論文

川畑佑典, 三浦達彦, 渡邉陽太, 池祐一, 江間陽平, 釼持智也, 松原宰栄, 米田剛, 千葉優作, 柏原崇人, 「磁気流体緩和法の初期条件依存性~force-free alpha の空間分布~」, 数理科学実践研究レター, 2018

-口頭発表

T. Hasegawa, T. Shimizu, "Observational Study on Magnetic Helicity Injected by Self and Mutual Rotations", JpGU, Chiba, May-2018

Y. Kawabata, S. Inoue, T. Shimizu, "Extrapolation of three-dimensional magnetic field structure in flare-productive active region with different initial condition", JpGU, Chiba, May-2018

T. Hasegawa, T. Shimizu, "Observational Study on Magnetic Helicity Injected by Self and Mutual Rotations", Hinode-12 Science Meeting, Granada, September-2018

Y. Kawabata, A. Asensio Ramos, S. Inoue, T. Shimizu, "Chromospheric magnetic field: A comparison of He I 10830 A observation with nonlinear force-free field extrapolation", Hinode-12 Science Meeting, Granada, September-2018

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 1 - 192
  • 1ケースあたりの経過時間: 20 時間

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.20

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 0.00 0.00
SORA-PP 42,060.43 0.34
SORA-LM 0.00 0.00
SORA-TPP 184,805.39 13.52

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 25.61 0.03
/data 254.85 0.00
/ltmp 5,208.34 0.45

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)


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所在地 〒182-8522 東京都
調布市深大寺東町7-44-1