航空エンジン燃焼器解析
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)
報告書番号: R18JTET23
利用分野: 技術習得方式
- 責任者: 青山剛史, 航空技術部門数値解析技術研究ユニット
- 問い合せ先: 豊永 塁(toyonaga.l.0121@ruri.waseda.jp)
- メンバ: 豊永 塁
事業概要
環境適合性の高い航空機エンジン用燃焼器の開発に向けて, 実用的な計算コストで圧力伝播や化学反応を再現できる燃焼数値計算手法の開発を行った. また, 本計算手法の妥当性を評価するため, DLRのスクラムジェットエンジン試験燃焼器を対象とした検証計算を実施した.
参照URL
なし
JSS2利用の理由
燃焼数値計算手法の開発・検証計算に取り組む上で, スパコンの利用が必要となる.
今年度の成果
Tabulated-Chemistryに基づく計算手法の一つである, Laminar Flameletモデルは燃焼数値計算の困難性に有効な手段である. しかし, 近年提案された圧縮性流れを対象とする圧縮性Flameletモデルは, Flameletテーブルの複雑化や圧力算出過程にいくつかの問題がある. 圧縮性Flameletモデルの従来の定式化(方法A)のこれらの問題に対処するために, 我々は2つの定式化(方法B, C)を提案した. 方法Bは多成分気体の熱化学量をFlameletテーブルの出力に選ぶことで計算速度を向上する. 方法Cは方法Bの定式化にニューラルネットワークを適用することでFlameletテーブルのメモリ使用量を劇的に現象させる. 実際の燃焼場においてこれらの方法を評価するために, ドイツ航空宇宙センタースクラムジェットエンジン試験燃焼器に基づく数値シミュレーションを実施した(図2, ,図3).
成果の公表
-査読付き論文
山本姫子, 豊永塁, 小松湧介, 樺山昂生, 溝渕泰寛, 佐藤哲也, “Artificial Neural Network(ANN)を用いた圧縮性Flameletモデルの改良”, 航空宇宙技術(オンライン論文集), 日本航空宇宙学会(2018.11, 掲載決定)
-ポスター
山本姫子, 豊永塁, 小松湧介, 樺山昂生, 溝渕泰寛, 佐藤哲也, “人工ニューラルネットワークを用いた圧縮性Flamelet用熱化学データベースの作成”, 国際燃焼シンポジウム, WiPPセッション, アイルランド, 2018.8
JSS2利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 2 – 1024
- 1ケースあたりの経過時間: 120 分
利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.03
内訳
JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
SORA-MA | 170,095.22 | 0.02 |
SORA-PP | 1,816.68 | 0.01 |
SORA-LM | 0.00 | 0.00 |
SORA-TPP | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 476.84 | 0.49 |
/data | 9,765.63 | 0.17 |
/ltmp | 1,953.13 | 0.17 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)