音響解析技術
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)
報告書番号: R18JG3213
利用分野: 研究開発
- 責任者: 嶋英志, 研究開発部門第三研究ユニット
- 問い合せ先: tsutsumi.seiji@jaxa.jp(tsutsumi.seiji@jaxa.jp)
- メンバ: 高木 亮治, 堤 誠司, 伊藤 浩之, 清水 太郎, 青野 淳也, 芳賀 臣紀, 森井 雄飛, 安部 賢治, 筧 雅行, 本江 幹朗, 菱田 学, 伊藤 俊, 多湖 和馬, 小泉 拓
事業概要
リフトオフ時プルーム音響, 及び遷音速バフェットに起因する衛星の音響環境レベルの予測と低減化が求められている. そこで, これまでに開発してきたリフトオフ時音響解析ツールを振動騒音解析ツールと連成させ, フェアリング内部に透過する音響環境を予測し,低騒音射点, 静粛機体設計に貢献する.
参照URL
なし
JSS2利用の理由
数十億点規模のLES解析を実施する必要があり, 目標とする周波数解像度を達成するためにはスパコン規模の計算リソースが必須である
今年度の成果
①ロケット打上げ時のフェアリング内部音響環境を予測するシミュレーション技術の研究を行っている. 解析手法はロケットエンジン排気ジェットの流体場を解析するLES, 発生した音響波の伝播をEuler方程式にて解析するCAA, フェアリング構造を解析するFEMと, フェアリン内部空間の音響環境を解析するFEMの4つから構成される. シミュレーション手法の検証のため, ハンマリング試験を行い, フェアリング構造モデルの検証を行った. (Fig.1) そして, ガス酸素/ガス水素ロケットエンジンを音源とした音響加振試験結果を利用し, ロケットリフトオフ時にフェアリング内部に透過する音響予測精度を検証した.
②垂直離着陸方式の単段式ロケットについて, 平らな地面から打ち上げる形態での音響環境を予測した. (Fig.2) その結果, 煙道のある既存の使い捨てロケットと比べて, 音響環境が非常に悪化することが分かった.
成果の公表
なし
JSS2利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 512
- 1ケースあたりの経過時間: 800 時間
利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.81
内訳
JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
SORA-MA | 6,736,350.24 | 0.82 |
SORA-PP | 76,080.65 | 0.61 |
SORA-LM | 1,576.29 | 0.73 |
SORA-TPP | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 5,139.61 | 5.32 |
/data | 36,070.13 | 0.64 |
/ltmp | 5,848.72 | 0.50 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
J-SPACE | 117.29 | 4.10 |
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)