ポスト京重点課題8-D「航空機の設計・運用革新を実現するコア技術の研究開発」
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)
報告書番号: R18JCMP06
利用分野: 競争的資金
- 責任者: 稲富裕光, 宇宙科学研究所学際科学研究系
- 問い合せ先: 高木亮治(ryo@isas.jaxa.jp)
- メンバ: 高木 亮治, 野々村 拓, 堤 誠司, 福島 裕馬, 河合 宗司, 三吉 郁夫, 関本 諭志, 小泉 拓, 稲荷 智英, 平嶋 良太, 玉置 義治, 唐津 卓哉
事業概要
流体現象の本質をとらえる準第一原理的手法を用いて航空機実機フライト環境を忠実に再現でき, かつ高速に解析できる技術を開発する. 具体的には階層型等間隔直交構造格子法をベースに高精度圧縮性解法, 壁面形状モデル, LES (Large Eddy Simulation)壁面モデルを開発する.
参照URL
「サブ課題D|重点課題8:近未来型ものづくりを先導する革新的設計・製造プロセスの開発」参照.
JSS2利用の理由
本課題で実施する解析は大規模解析となるため,JSS2の様な大きな計算機資源が必要となるため.また,最終的なターゲットであるポスト「京」と似たアーキテクチャを有しているため.
今年度の成果
階層型等間隔直交構造格子法を用いた圧縮性流体解析プログラムFFVHC-ACEの開発を進めた. 今年度は実機詳細形状(JSM_CRM_LEGモデル)に対して埋め込み境界を用いた試計算を実施した. 図1で示すのはJSM_CRM_LEGモデルを対象とした計算格子である. 図2はソルバー内で表現された降着装置の物体表面形状である. 格子解像度の向上にともない物体表面形状の再現性が向上していることがわかる. 図3ではマッハ数が0.2, レイノルズ数が106, 迎角が7度の計算例である. 計算格子は全体で8億点程度, そのうち6億点程度が流体格子となっている. この図では空間の渦度を表している.
図3(ビデオ): JSM_CRM_LEGモデル周りの試計算結果
成果の公表
-口頭発表
高木亮治, 航空機実機実飛行環境における空力特性評価技術の実現に向けて, 第4回ポスト「京」重点課題⑧シンポジウム
-その他
高木亮治, スパコンで航空宇宙機をつくる!? -ものづくりにおけるスパコンの役割-, 第13回スパコンを知る集いin水戸 ~「京」からポスト「京」へ~
JSS2利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 256 – 600
- 1ケースあたりの経過時間: 120 時間
利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 3.88
内訳
JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
SORA-MA | 36,154,361.50 | 4.43 |
SORA-PP | 6,470.46 | 0.05 |
SORA-LM | 0.00 | 0.00 |
SORA-TPP | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 2,181.51 | 2.26 |
/data | 33,258.50 | 0.59 |
/ltmp | 12,472.17 | 1.07 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
J-SPACE | 36.60 | 1.28 |
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)