本文へ移動

サイトナビゲーションへ移動

検索ボックスへ移動

サイドバーへ移動

ここは、本文エリアの先頭です。

解適合格子法を用いた燃焼流の研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)

報告書番号: R18JACA35

利用分野: JSS2大学共同利用

PDFはここからダウンロード

  • 責任者: Edyta Dzieminska, 上智大学
  • 問い合せ先: 唐 新猛, 上智大学, simondonxq@gmail.com(simondonxq@gmail.com)
  • メンバ: Edyta Dzieminska, 坂井 創, 仁賀 雄一, 山本 祥太, 唐 新猛, 林 光一, 小林 航希, 小井土 渉

事業概要

本研究は, 水素‐空気などの燃焼流を解適合格子法(AMR)を使って数値的にシミュレートし, 燃焼の特性や火炎伝播, デトネーション, デフラグレーションからデトネーションへの遷移(DDT)などの物理をさらに理解することであります. 開発されるコードの性質上ならびに計算コストの関係上, 昨年度は予定されたジェット着火の計算は, 大規模スケールでは最後まで計算されず, 計算コードをずっと開発し続けていました. それで, AMRによるいくつかの燃焼テスト計算がなされましたが, 大規模スケールでの計算ではありませんでした. 解適合格子法は, 複雑な非四面体の形をしたモデルを数値的にシミュレートするために, コードに一般曲線座標系を組み込んでいます. 例として, S字の形をした管や障害物のある二重円筒内の燃焼シミュレーションを行いました. 図1に水素/空気混合気で満たされたS字型管内を伝播する火炎の形状とそれに対応するAMRのブロックの分布状況を示し, 図2に水素/空気で満たされた障害物のある二重円筒内を伝播する火炎の構造とそれに対応するブロックの分布を示します. 図から分かるように, AMRのシステムは, 非四面体のブロック並びに格子モデルにおいて火炎の構造をよりよく表し, 開発されたAMRシステムが反応流に対して良く機能していることを示しています.

参照URL

なし

JSS2利用の理由

2次元並びに3次元の物理モデルでの燃焼流の数値計算は, 多くのCPUコストを必要とします. 一方, 計算時間ステップは高圧並びに高温のために普通非常に小さくなっており, その結果局所音速は高くなっています. この時間ステップは, 普通0.1-1ナノ秒です. 一方, 高分解能の要求は, AMRでも大量の格子数となります. この要求が2次元や3次元の計算で, 大量の格子点を扱うことになるのですそれ故, 大型計算機による計算が必要になるのです. 大型計算機無しでは, 有効なCFD結果を得ることができないと考えます.

今年度の成果

1. Xinmeng Tang, Edyta Dzieminska, A. Koichi Hayashi, Nobuyuki Tsuboi, Gradient mechanism on the onset of detonation in the deflagration to detonation transition, ICDERS27th, Beijing, 2019.

2. A. Koichi Hayashi, Nobuyuki Tsuboi, Xinmeng Tang, Edyta Dzieminska, Numerical analysis on detonation and detonation application using adaptive mesh refinement, Seventeenth International Conference on Numerical Combustion, Aachen, May 6-8, 2019.

3.解適合格子法は, 複雑な非四面体形状のモデルのシミュレーションを行うために一般曲線座標系を組み込みました.

4. S字型の管や障害物のある二重円筒管内の燃焼流れの計算を行いました.

Annual Reoprt Figures for 2018

図1: S字型管におけるAMR法による数値シミュレーション. 上方左側の部分は, 物理座標のAMRブロックシステムで, 上方右側は, 格子システムを示す. 下方の図は, マッハ数Maとx方向の速度uを示す.

 

Annual Reoprt Figures for 2018

図2: 二重円筒におけるAMR法による数値シミュレーション. 左側の図は, AMRブロックシステムで, 右側は, 本反応流の温度分布を表す.

 

成果の公表

-口頭発表

1. Xinmeng Tang, Edyta Dzieminska, A. Koichi Hayashi, Nobuyuki Tsuboi, Gradient mechanism on the onset of detonation in the deflagration to detonation transition, ICDERS27th, Beijing, 2019.

2. A. Koichi Hayashi, Nobuyuki Tsuboi, Xinmeng Tang, Edyta Dzieminska, Numerical analysis on detonation and detonation application using adaptive mesh refinement, Seventeenth International Conference on Numerical Combustion, Aachen, May 6-8, 2019.

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 自動並列
  • プロセス並列数: 4 – 320
  • 1ケースあたりの経過時間: 1000 時間

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.02

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 91,669.06 0.01
SORA-PP 5,290.04 0.04
SORA-LM 0.00 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 28.61 0.03
/data 286.10 0.01
/ltmp 5,859.38 0.50

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)