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スペースプラズマ物理過程の磁気流体シミュレーション研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)

報告書番号: R18JACA28

利用分野: JSS2大学共同利用

PDFはここからダウンロード

  • 責任者: 銭谷誠司, 京都大学生存圏研究所
  • 問い合せ先: 銭谷 誠司(zenitani@rish.kyoto-u.ac.jp)
  • メンバ: 銭谷 誠司, 篠原 育, 三好 隆博

事業概要

当プロジェクトでは, 宇宙空間プラズマ環境で起きるさまざまな物理素過程を, 主に数値シミュレーションを用いて解明・理解することを目指している. 特に, 磁力線のつなぎ変えとともに磁気エネルギーを解放する「磁気リコネクション」とその周辺現象を対象とする. また, シミュレーション研究のための公開コードの開発を行っている.

参照URL

OpenMHD コード」参照.

JSS2利用の理由

宇宙空間プラズマの大局的振る舞いを近似する磁気流体方程式系は, 非常に複雑で非線形に振る舞うことが知られている. 宇宙プラズマ現象のさまざまな性質を理解するためには, スーパーコンピューターによる大規模数値シミュレーションが必須である.

今年度の成果

磁気流体計算を用いて, 高(磁気)レイノルズ数領域で起きる乱流リコネクションの性質のパラメーターサーベイを行ない, 系全体の平均的エネルギー消費効率が圧縮性を考慮した磁気リコネクション理論に従って変化することを確認した. 現在, 論文投稿の最終準備中である. さらに, 海外の研究者と乱流磁気リコネクションの背景流シアー依存性についての共同研究を行い, 系全体のリコネクション進行率が理論予想に従うことを確認した [1].

また, 引き続きシミュレーションコードの改良に取り組み, 計算領域を多次元分割したうえでノンブロッキングMPI通信を用いて双方向のhalo通信をオーバーラップさせ, 5000コアの強スケーリングで94%の実行効率を達成した. 一方, ノード内通信を共有メモリで代替するMPI-MPIハイブリッド通信を実装したが, 特定の状況で問題が顕在化したため, 原因と対策を模索している. 現時点の改良成果をまとめたものを, OpenMHDコード2019年版として公開した.

成果の公表

-査読付き論文

1) M. Hosseinpour, Y. Chen, and S. Zenitani, On the effect of parallel shear flow on the plasmoid instability, Physics of Plasmas, 25, 102117 (2018)

2) S. Zenitani and T. Umeda, On the Boris solver in particle-in-cell simulation, Physics of Plasmas, 25, 112110 (2018)

-査読なし論文

銭谷誠司・加藤恒彦, 相対論的プラズマ粒子シミュレーションのための粒子計算アルゴリズム, 生存圏研究, 14, 62 (2018)

-口頭発表

1) 銭谷誠司・三好隆博, A scaling model for plasmoid-dominated turbulent reconnection, 日本地球惑星科学連合2018年大会, 2018/5/23

2) 銭谷誠司・三好隆博, プラズモイド型乱流リコネクションのスケール則, 日本天文学会2018年秋季年会, 兵庫県立大学, 2018/9/20

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 40 – 2000
  • 1ケースあたりの経過時間: 36 時間

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.06

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 555,906.29 0.07
SORA-PP 0.00 0.00
SORA-LM 0.00 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 67.29 0.07
/data 1,228.12 0.02
/ltmp 3,146.70 0.27

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)