本文へ移動

サイトナビゲーションへ移動

検索ボックスへ移動

サイドバーへ移動

ここは、本文エリアの先頭です。

発達した乱流の大規模数値シミュレーション研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)

報告書番号: R18JACA05

利用分野: JSS2大学共同利用

PDFはここからダウンロード

  • 責任者: 後藤晋, 大阪大学基礎工学研究科
  • 問い合せ先: 後藤晋(goto@me.es.osaka-u.ac.jp)
  • メンバ: 後藤 晋, 神吉 遵, 本告 遊太郎, 久保 徹, 栗田 朋幸, 荒木 亮, 篠原 司

事業概要

航空宇宙工学の分野で現れる流れの多くは非常に高いレイノルズ数をもつ発達した乱流である. このような乱流を数値的にシミュレートするためには, 乱流中の小スケールの運動をモデル化することが必須である. このような「乱流モデル」は前世紀に提案された古典的な乱流統計理論に基づく. ところが, 近年の室内実験や数値シミュレーションにより, これらの統計理論が必ずしも成立しないことが明らかとなった(たとえば, Goto & Vassilicos 2015, 2016). そこで本研究では, 種々の境界条件下における乱流の直接数値シミュレーションを系統的に実行し, 乱流の小スケールの統計の(非)普遍性やその背後にある物理を明らかにすることを目的とする.

参照URL

なし

JSS2利用の理由

乱流は航空宇宙工学の分野の重要な研究課題である. また, 乱流の直接数値シミュレーションは大規模な計算機環境を必要とする. したがって, 本研究課題は, JSS2の利用にふさわしい課題である.

今年度の成果

本年度はとくに回転容器内に維持される発達した乱流の生成機構について重要な知見が得られた. 回転容器の自転軸が他の軸のまわりに歳差運動をすると, 容器内には発達した乱流が維持されることが知られる. 本年度は, 容器形状を変更可能なプログラムを開発し, それを用いて歳差運動をする球体, 回転楕円体, 円筒内の乱流の数値シミュレーションをすることで, 発達した乱流が出現する条件やその維持機構の詳細を調べた. その結果, 発達した乱流は, いずれの容器であっても, 比較的弱い歳差の場合に維持され, このとき図1に示すような一対の大規模渦構造を伴うことを明らかにした.

Annual Reoprt Figures for 2018

図1: 歳差運動をする球体容器内に維持される発達した乱流の平均流の流線構造. 流線は赤色から青色に向かう. 容器形状によらず, 歳差運動をする容器内の発達した乱流はこのような一対の大規模構造を伴う.

 

成果の公表

-査読付き論文

1) K. Komoda and S. Goto, Three-dimensional flow structures of turbulence in precessing spheroids, Phys. Rev. Fluids 4 (2019) 014603.

2) Y. Motoori and S. Goto, Generation mechanism of a hierarchy of vortices in a turbulent boundary layer, J. Fluid Mech., 865 (2019) 1085-1109.

-招待講演

1) S. Goto, Energy cascade in turbulence, Workshop on Fluid turbulence and Singularities of the Euler/Navier Stokes equations, Harvard Univ. 13 March 2019.

-口頭発表

1) Y. Motoori and S. Goto, Hierarchy of vortices in wall-bounded turbulence, The 15th International Conference on Flow Dynamics.

2) S. Goto, Coherent structures in turbulence and their universality, International Conference on APEF 2018 (Advances in Physics of Emergent Orders in Fluctuations).

3) 本告遊太郎, 後藤晋, 乱流境界層中の渦の階層, RIMS共同研究集会「乱流と遷移:構造, 多重スケール, モデル」.

4) 本告遊太郎, 後藤晋, 壁乱流中の渦の階層. 日本流体力学会年会2018.

5) 神吉遵, 薦田拳, 歳差運動をする容器内に維持される乱流中の大規模構造の容器形状依存性, 日本流体力学会年会2018.

6) 本告遊太郎, 後藤晋, 乱流境界層中の渦の生成機構, 日本機械学会 2018年度年次大会.

7) 岡温, 後藤晋, 高レイノルズ数の乱流中における慣性粒子群の空間分布の流体加速度場による記述, 日本機械学会 2018年度年次大会.

8) 栗田朋幸, 後藤晋, 反射性フレークを用いた乱流の可視化の物理機構, 第46回 可視化情報シンポジウム.

9) 後藤晋, 犬伏正信, 機械学習を用いた乱流のエネルギー散逸率の予測, 日本物理学会 2018年 秋季大会.

10) 後藤晋, 本告遊太郎, 乱流境界層中の渦の階層, プラズマシミュレータシンポジウム2018,

11) 岡温, 後藤晋, 乱流中における固体粒子群のクラスタ形成, 鳥取非線形研究会2018.

12) 栗田朋幸, 後藤晋, 反射性フレークによる可視化から得られる乱流場の情報, 第32回数値流体力学シンポジウム.

13) 後藤晋, 犬伏正信, 機械学習による乱流のエネルギー散逸率の空間分布の予測, 第32回数値流体力学シンポジウム.

-ポスター

1) 岡温, 後藤晋, 一様乱流中における固体粒子群の空間分布に粒子径の有限性が与える影響, 日本機械学会 第96期 流体工学部門 講演会,

2) 篠原司, 川邉哲也, 後藤晋, 回転容器内における粉粒体の流動現象, 日本機械学会 第96期 流体工学部門 講演会.

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 自動並列
  • プロセス並列数: 64 - 96
  • 1ケースあたりの経過時間: 35 時間

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.18

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 1,205,735.81 0.15
SORA-PP 0.00 0.00
SORA-LM 0.00 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 561.71 0.58
/data 64,048.80 1.13
/ltmp 14,648.44 1.25

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2018年4月~2019年3月)


ここは、サイドバー・エリアの先頭です。

おしらせ-最近の追加

Language / 言語

「利用成果報告」の公開

JSS3を利用するには

JSS3 を利用するには 「利用するには 」ページをご覧ください。

活躍する計算技術-最近の追加

所在地

JAXA(宇宙航空研究開発機構) 調布航空宇宙センター
所在地 〒182-8522 東京都
調布市深大寺東町7-44-1