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DBDプラズマアクチュエータを用いたフィードバック流れ制御技術に関する研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2017年4月~2018年3月)

報告書番号: R17JACA26

利用分野: JSS2大学共同利用

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  • 責任者: 浅田健吾 東京理科大学
  • 問い合せ先: 浅田健吾 asada@rs.tus.ac.jp
  • メンバ: 浅田健吾, 小川拓人

事業概要

ロケットや航空機,自動車といった様々な輸送機周りの流れを,プラズマ放電を利用したDBDプラズマアクチュエータと呼ばれるデバイスを用いることで制御し,高効率で堅牢な輸送機システム開発を実現する. 時々刻々と変化する流れに対応するため,本事業では3次元非定常流れのシミュレーションを行い,フィードバック制御手法の開発・実証を行う.

参照URL

なし

JSS2利用の理由

今回実施した3次元非定常流れ解析ラージエディシミュレーション(LES)は莫大な格子点数が必要であり,通常のワークステーションでは実行不可能であったため.

今年度の成果

本年度はDBDプラズマアクチュエータを用いたNACA0015翼周り流れの剥離制御において,高忠実度ラージエディシミュレーションを実施し,既に2次元数値シミュレーションで制御効果が確認されている我々が提案するフィードバック流れ制御モデルの有効性の検証を行った. 提案する制御モデル(図1)は翼上面に設置する圧力センサーに対応する位置(本研究では翼弦長の40%位置)の渦の通過に応じて翼前縁付近に配置したアクチュエータのON/OFFを切り替える制御モデルである. センサー位置において圧力値を移動平均とともに観測し,平均と比較して値の急激な低下をセンサー上の渦の通過と判断している. 前年度に実施した制御モデルでは,圧力値の移動平均の計算幅を固定長としていたが,今年度は制御のロバスト性を向上させるために,移動平均の計算幅に圧力値の支配的な周期をFFTにより推算し用いた. 図2に,本制御モデルにより制御を行った場合の圧力係数の時間履歴(黒線)とその移動平均(赤線),及びアクチュエータ駆動の時間履歴(青線)を示す. 圧力係数と移動平均の大小関係が非周期的に変化し,それに対応してアクチュエータが間欠的に駆動している. 本制御則を他のいくつか異なる流れ条件に適用した解析も行っており,本制御則を用いる事で流れに応じた効果的な駆動が実現できる事を示した. 図3,4に制御時・非制御時の瞬時流れ場を示す. 渦構造を可視化するため, 速度勾配テンソルの第二不変量の等値面をコード長方向速度で色付けしたものを示している. 制御を行った場合,非制御時と比較して翼上面の大規模な剥離が抑制されており,本制御則がスパン方向を持つ3次元流れにおいても有効であることが確認できた.

Annual Reoprt Figures for 2017

図1: 提案する制御モデル

 

Annual Reoprt Figures for 2017

図2: 圧力係数の時間履歴(黒線)とその移動平均(赤線),及びアクチュエータ駆動の時間履歴(青線)

 

Annual Reoprt Figures for 2017

図3: 瞬間流れ場(非制御時)

 

Annual Reoprt Figures for 2017

図4: 瞬間流れ場(制御時)

 

成果の公表

■ 査読なし論文

1) Takuto Ogawa, Kengo Asada, Satoshi Sekimoto, Tomoaki Tatsukawa, Kozo Fujii, “Feed-back Control of Stall Separation with DBD Plasma Actuator by Detecting Vortex Passing over an Airfoil”, AIAA SciTech 2018, 7-11 January 2018, Kissimmee, Florida, USA.

2) Takuto Ogawa, Satoshi Shimomura, Kengo Asada, Satoshi Sekimoto, Tomoaki Tatsukawa, Horoyuki Nishida, and Kozo Fujii, “Study on the Sensing Parameters toward Better Feed-back Control of Stall Separation with DBD Plasma Actuator”, AIAA Aviation Forum 2017, Denver, 5-9 June 2017.

3) 小川拓人, 浅田健吾, 関本諭志, 立川智章, 藤井孝藏, “DBDプラズマアクチュエータを用いたフィートバック翼流れ剥離制御の LES 〜翼表面圧力を用いた制御則の検討〜”, 日本流体力学会年会2017, 2017年8月30日, 東京理科大学葛飾キャンパス.

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 自動並列
  • プロセス並列数: 76
  • 1ケースあたりの経過時間: 50.00 時間

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.32

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 2,653,685.13 0.34
SORA-PP 0.00 0.00
SORA-LM 0.00 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 057.22 0.04
/data 11,098.95 0.21
/ltmp 3,906.25 0.29

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2017年4月~2018年3月)