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宇宙航空技術の維持・強化に係る研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)

報告書番号: R16J0077

  • 責任者: 宇治野 功(安全・信頼推進部(本務), 第一宇宙技術部門)
  • 問い合わせ先: 芳賀 臣紀(haga.takanori@jaxa.jp)
  • メンバ: 堤誠司,伊藤浩之,安部賢治,芳賀臣紀
  • 利用分類: 基礎分野(モデリング,CFD)

概要

航空宇宙分野の流体解析では高レイノルズ数の乱流の予測精度が重要である.従来のRANSに基づくモデリングでは境界層の剥離や再付着,遷移の予測精度に課題がある.一方,壁近傍の微小な渦スケールまで解像するLESの計算コストは非常に大きく現実的でない.高レイノルズ数壁乱流の予測精度の向上および計算コストの低減に関する研究を行い,設計ツールとしてのCFDの適用範囲を拡大する.

目的

宇宙航空分野における基盤解析技術の強化および先進解析技術の発展により,開発の確実化・効率化,並びに次期及び将来のプロジェクトを先導する解析技術を獲得する.

目標

従来手法に比べ信頼性が高く効率的な解析技術,およびこれまで解析が困難であった問題に対して適用可能な解析技術を構築する.

参照URL

なし

スパコンの用途

数千万点規模の乱流境界層のLES,及びそのポスト処理を実施する.

スパコンの必要性

高レイノルズ数壁乱流のマルチスケールの渦を解像するためにはスパコンの計算リソースが必要である.

今年度の成果

高レイノルズ数壁乱流の計算コストを大きく緩和することができる壁面応力モデルを利用して,超音速平板境界層のWall modeled LES (WM-LES)計算を行った.WM-LESではレイノルズ数のスケール効果が現れる境界層の内層域(境界層厚みδの約10%以下)をモデル化するため,高レイノルズ数流れにおいて支配的となる内層域の計算コストを大幅に削減することができる.本研究では非構造格子が利用できるFlux Reconstruction(FR)法のLESソルバーをベースに壁面応力モデルを拡張した.

図1に計算結果を示す.主流マッハ数は1.69,レイノルズ数はReδ=6.1×105(Reθ=5×104)である.LES結果をインプットするwall-layerの高さはhwm=0.055δで固定した.格子セルサイズはΔyw=0.66hwm, Δx=Δz=0.084δであり,wall unitでΔx+=Δz+≈880,hwm+≈1180と従来のWall resolved LESと比べると非常に粗い.FR法ではセル内部に自由度を持つため実質的には約1/4の値となる(p3,四次精度の場合).計算点数(内部自由度の総数)は約4000万である.今後乱流統計量のデータを文献値と比較し,本手法で最低限必要な格子解像度を調査し,実問題への適応を進めたい.

Annual Reoprt Figures for 2016

Fig.1:速度勾配テンソルの第二不変量の等値面(マッハ数で色付け)

 

成果の公表

学会及び論文で発表予定.

計算情報

  • 並列化手法: ハイブリッド並列
  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 32
  • プロセスあたりのスレッド数: 8
  • 使用ノード数: 8
  • 1ケースあたりの経過時間(時間): 280
  • 実行ケース数: 10

利用量

 

総仮想利用経費(円): 5,303,437

 

内訳

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 仮想利用経費(円)
SORA-MA 2,136,851.12 3,448,180
SORA-PP 101,860.38 869,683
SORA-LM 20,340.35 457,657
SORA-TPP 0.00 0

 

SORA-FS ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 仮想利用経費(円)
/home 7,270.69 68,584
/data 29,502.97 278,302
/ltmp 833.31 7,860

 

J-SPACE アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 仮想利用経費(円)
J-SPACE 56.09 173,166

注記: 仮想利用経費=2016年度設備貸付費用の単価を用いて算出した場合の経費

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)


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