インテークに関する研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)
報告書番号: R16J0105
- 責任者: 松尾 裕一(航空技術部門 数値解析技術研究ユニット)
- 問い合わせ先: 吉田 秀和(gooden85@fuji.waseda.jp)
- メンバ: 長尾志,吉田秀和
- 利用分類: 航空分野(航空機エンジン)
概要
JAXAでは極超音速機実現に向けて離陸からマッハ5まで連続作動できる極超音速ターボジェットの研究開発が進められている.極超音速ターボジェットにおいてインテークはエンジンに入ってくる空気流を減速・圧縮している.インテークのCFD解析は風洞実験ではわからないインテーク内部での流れ場を可視化し,インテークの作動状態を把握することでより高効率なエンジン開発を行う.
目的
「極超音速旅客機技術 | 航空新分野創造プログラム(Sky Frontier) | JAXA航空技術部門」参照。
目標
「極超音速旅客機技術 | 航空新分野創造プログラム(Sky Frontier) | JAXA航空技術部門」参照。
参照URL
「極超音速旅客機技術 | 航空新分野創造プログラム(Sky Frontier) | JAXA航空技術部門」参照。
スパコンの用途
極超音速実験機用インテークのCFD解析を実施し,インテーク性能の取得および性能改善が可能なモデルの調査を行った.
スパコンの必要性
風洞実験では通風できない条件でのシミュレーションや,内部の流れ場の可視化などによる現象の解析が実施できる.また,供試体のモデル変更を行い解析が実施できるため,設計変更の補助を行える.
今年度の成果
インテークのCFD解析結果のうちマッハ数分布の全景とインテーク部を改拡大した図をFig.1に示す.この結果からノズルスロート高さ9.3 mmにおいてインテークスロート前方で剥離が発生していることが分かる.また,Fig.2に性能マップを示す.剥離が生じることで性能が低下していることが分かる.そこで,新たにスロート前方で抽気(インテーク流路内からエンジン外部への抽気)を行うことで,剥離を防止できることが分かった.また,低流量時に発生する衝撃の自励振動現象であるインテークバズの抑制を行うことができた.解析した結果のうち最も高い性能を示した抽気方法をFig.3に示す.これによりMCRが12%,TPRが5%向上した.
成果の公表
口頭発表
1) 「極超音速統合制御実験(HIMICO)用インテークでの剥離とその対策」第30回数値流体力学シンポジウム
2) 「極超音速統合制御実験(HIMICO)用インテーク性能に関する数値的研究」平成28年度宇宙輸送シンポジウム
計算情報
- 並列化手法: プロセス並列
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 1024
- プロセスあたりのスレッド数: 1
- 使用ノード数: 32
- 1ケースあたりの経過時間(時間): 1-10
- 実行ケース数: 100
利用量
総仮想利用経費(円): 3,032,484
内訳
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 仮想利用経費(円) |
---|---|---|
SORA-MA | 1,524,980.69 | 2,481,879 |
SORA-PP | 20,035.30 | 171,061 |
SORA-LM | 479.39 | 10,786 |
SORA-TPP | 0.00 | 0 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 仮想利用経費(円) |
---|---|---|
/home | 29.56 | 278 |
/data | 33,203.14 | 313,206 |
/ltmp | 5,859.38 | 55,271 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 仮想利用経費(円) |
---|---|---|
J-SPACE | 0.00 | 0 |
注記: 仮想利用経費=2016年度設備貸付費用の単価を用いて算出した場合の経費
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)