ポスト京重点課題8-D「航空機の設計・運用革新を実現するコア技術の研究開発」
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)
報告書番号: R16J0067
- 責任者: 石岡 憲昭(宇宙科学研究所 学際科学研究系)
- 問い合わせ先: 高木 亮治(ryo@isas.jaxa.jp)
- メンバ: 高木亮治, 野々村拓, 堤誠司, 福島裕馬, 河合宗司, 川口優樹, 三吉郁夫
- 利用分類: 基礎分野(設計技術, その他)
概要
流体現象の本質をとらえる準第一原理的手法を用いて実機フライト環境を忠実に再現でき, かつ高速に解析できる技術を開発する. 具体的には直交等間隔構造格子法をベースに高精度圧縮性解法, 壁面形状モデル, LES (Large Eddy Simulation)壁面モデルを開発する.
目的
ポスト「京」重点課題8Dとして, 航空機の設計および運用における重要な課題を解決し, 格段の効率化, 高性能化, 安全性向上を実現するコア技術を確立する.
目標
実機飛行試験など開発の下流段階でしか評価できない設計課題の評価を, 設計初期段階で評価可能可能とする. また低速失速や遷音速バフェットの高精度予測, 非線形飛行力学の導入による航空機の飛行制御技術の抜本的な改善, 高度なシミュレーションの活用による高度運航制御モデルの実現を目指す.
参照URL
「サブ課題D|重点課題8:近未来型ものづくりを先導する革新的設計・製造プロセスの開発」参照。
スパコンの用途
解析プログラムの開発プラットフォームとして利用すると同時に, 各種検証計算を実施する.
スパコンの必要性
開発するプログラムのターゲットマシンであるポスト「京」と同系のアーキテクチャを有するJSS2の利用がプログラム開発には必須である. また検証計算も大規模なものとなるためJSS2の利用が必要である.
今年度の成果
階層型等間隔直交構造格子法を用いた圧縮性流体解析プログラムのプロトタイプを開発した. 平板層流境界層や渦移流などを対象に検証を行った.
成果の公表
口頭発表
1) 高木亮治, 杉崎由典, 鈴木清文, ステンシル系プログラムの低メモリバンド幅CPU向け高速化手法の検討, 第48回流体力学講演会/第34回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム, 1C4, 7/7, 金沢, 2016.
2) 高木亮治, 杉崎由典, 鈴木清文, CFDプログラムの高速化に向けた基礎的ベンチマークプログラムによるFX100の特性評価, 第30回数値流体力学シンポジウム, D09-2, 12/14, 船堀, 2016.
3) 柴田寿一, 佐藤允, 堤誠司, 野々村拓, 河合宗司, 高木亮治, 階層型直交格子を用いた圧縮性流体ソルバの開発, 第30回数値流体力学シンポジウム, D10-1, 12/14, 船堀, 2016.
その他
1) 高木亮治, 杉崎由典, 鈴木清文, ステンシル系プログラムの低メモリバンド幅CPU向け高速化手法の検討, 第48回流体力学講演会/第34回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム論文集, JAXA-SP-16, 2017.
計算情報
- 並列化手法: ハイブリッド並列
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 2-64
- プロセスあたりのスレッド数: 16
- 使用ノード数: 1-10
- 1ケースあたりの経過時間(時間): 0.833-10
- 実行ケース数: 300
利用量
総仮想利用経費(円): 19,235,630
内訳
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 仮想利用経費(円) |
---|---|---|
SORA-MA | 11,628,782.50 | 18,983,099 |
SORA-PP | 418.07 | 3,569 |
SORA-LM | 0.00 | 0 |
SORA-TPP | 0.00 | 0 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 仮想利用経費(円) |
---|---|---|
/home | 2,652.32 | 25,019 |
/data | 9,969.45 | 94,042 |
/ltmp | 5,392.09 | 50,863 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 仮想利用経費(円) |
---|---|---|
J-SPACE | 25.60 | 79,036 |
注記: 仮想利用経費=2016年度設備貸付費用の単価を用いて算出した場合の経費
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)