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火星航空機の空力設計に関する研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)

報告書番号: R16J0052

  • 責任者: 森澤 征一郎(鳥取大学)
  • 問い合わせ先: 森澤 征一郎(morizawa@mech.tottori-u.ac.jp)
  • メンバ: 森澤征一郎
  • 利用分類: 宇宙分野(宇宙工学)

概要

火星探査航空機の空力設計を実施するには低レイノルズ数・高マッハ数の条件下での空力特性を理解する必要がある. しかし, このような条件下での風洞などによる試験は難しく, 航空機を設計する上での流れ場や空力特性に関する情報が不足している. そこで本研究はスパコンを利用することにより流体計算によって低レイノルズ数・高マッハ数の条件下における流体計算を行うことで航空機を設計する上で必要な流れ場や空力特性に関する知見の獲得を行う.

目的

火星探査航空機を検討する際, その流れ場は大気密度が小さく, 大気温度も小さいことから低レイノルズ数・高マッハ数となる. このような流れ場は地球上では存在し得ない環境となり, ほとんど研究が進んでいない. そこで本事業の目的は, 流体計算によって低レイノルズ数・高マッハ数の条件下における航空機周りの流れ場や空力特性の基本特性を理解し, 空力設計に役立てることである.

目標

火星航空機, 及びその断面の翼形状および平面形状, 推進用プロペラのブレードなどを対象に低レイノルズ数・高マッハ数に関する流体計算を行う. 最終的には多目的設計探査手法(MODE)によって空力性能に優れた機体の設計, 翼型形状, そして推進用プロペラのブレードを模索することを目標とする.

参照URL

なし

スパコンの用途

流体計算によって低レイノルズ数・高マッハ数の条件下における流れ場の基本特性を理解し, 空力設計に役立つ情報を獲得する. そのためには大学のワークステーションのみでは現実的ではなく, スパコンを用いた複数のケースかつ大規模な計算が必須であり, JSS2を利用した.

スパコンの必要性

火星探査航空機周りの流れ場は大気密度が小さく, 大気温度も小さいことから低レイノルズ数・高マッハ数となり, 地球上では存在し得ない環境となる. このような条件下を現実に作り出すことは多くの大学では難しい. 一方, スパコン上ではそのような環境を作り出すことは現実よりは容易であり, 利用できるメモリとCPUは研究室レベルで持ちわせるワークステーションと比べても非常大きく, 研究遂行には必要なものである.

今年度の成果

本年度は本学で提案している展開型翼を用いた火星探査航空機と前進翼を採用した際の平面形状に関しての性能評価を試みた. 展開型翼を用いた航空機に関しては翼の後縁にエルボンを設置し, 横方向の安定性を議論した. その結果, 火星環境では地球環境より衝撃波の発生角度が大きくなり, 揚力・ローリングモーメントが低下するとともに, 抵抗が増加した. そのため, エルボンを作用させる際に火星環境では回転方向に対する性能が悪く, 滑空性能も低下するので火星航空機を設計する際にエルボン効果をより大きく取る必要があることを示唆する結果となった. また, 前進翼に関しては高迎角側(α≧6°)で流れ場での計算が上手くいっておらず, 流体解析のプログラムを修正する必要があり, 来年度にその修正を進めるととともに, 前進翼の効果を調べ, 翼の平面形状に関する議論を進めるとともに, 空力設計に向けた多目的設計探査手法(MODE)の計算を実施予定である.

Annual Reoprt Figures for 2016

Fig.1:地球環境(左図)と火星環境(右図)における流れ場の比較

 

Annual Reoprt Figures for 2016

Fig.2:前進翼上での流れの比較

 

成果の公表

口頭発表

1) S. Morizawa, K. Sakamoto, A. Yasuda, A. Miyazaki, H. Kawazoe, 'Aileron Effect by the Elevon on the Aerodynamic Characteristics of a Mars Exploration Airplane with a Deployable-Wing, ' The 2016 Asia-Pasific Internatinal Symposium on Aerospace Technology, D1-2 , Toyama, Japan, October 25-27, 2016.

計算情報

  • 並列化手法: 非並列
  • プロセス並列手法: 非該当
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 1
  • プロセスあたりのスレッド数: 1
  • 使用ノード数: 1
  • 1ケースあたりの経過時間(時間): 5
  • 実行ケース数: 10

利用量

 

総仮想利用経費(円): 91,871

 

内訳

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 仮想利用経費(円)
SORA-MA 21,110.12 34,720
SORA-PP 0.00 0
SORA-LM 0.00 0
SORA-TPP 0.00 0

 

SORA-FS ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 仮想利用経費(円)
/home 476.84 3,785
/data 4,768.37 37,858
/ltmp 1,953.13 15,506

 

J-SPACE アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 仮想利用経費(円)
J-SPACE 0.00 0

注記: 仮想利用経費=2016年度設備貸付費用の単価を用いて算出した場合の経費

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)


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