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直交格子法を用いた移動物体を含む気液二相相流の解析コードの開発と応用

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)

報告書番号: R16J0044

  • 責任者: 高橋 俊(東海大学工学部)
  • 問い合わせ先: 高橋 俊(takahasi@tokai-u.jp)
  • メンバ: 高橋俊
  • 利用分類: 宇宙分野(ロケット)

概要

工学製品周りにおいて移動物体と気液二相流が干渉する流体現象は数多く存在している.本研究ではロケット発射時の排気中の微粒子が圧力波に及ぼす影響の調査や,ヒートパイプ内部のメニスカス近傍で生じる水膜による熱伝導性への影響などを研究対象としている.これらの解析は高速な大規模解析が必要とされる複雑な混相流解析であり,産業的にも学術的にも大きな意義を有する.

目的

本研究は,ロケット発射時後流中の散水とエンジン排気中の金属微粒子が音響場に及ぼす影響の調査と,ヒートパイプ内の熱輸送現象解析を研究対象に考えている.近年考案されている低散逸型スキームによる直接数値解析,直交格子による複雑形状・界面の高速な再現から,これらに対して取り組む.

目標

本研究では固気混相流,気液混相流,さらには固気液多相流の数値解析を安定かつ簡易に行える計算手法の開発に取り組む.直交格子と埋め込み境界法を応用した計算手法により,多くの工学製品に関連する移動物体と混相流が干渉する流体現象を高速かつ高精度に予測し,様々な流体機器の高性能化,設計開発の一助となるツールを開発する.

参照URL

なし

スパコンの用途

多数の微粒子を含む固気混相流解析と,移動物体を含む固気液二相流解析手法の開発と応用のためにスパコンを活用する.本研究における混相流解析では,直交格子法に埋め込み境界法とレベルセット法を応用する.直交格子法の単純なプログラム構造を活かして発展性の高いプログラムを開発し,実際の工業製品の設計開発への応用を目指す.

スパコンの必要性

最終的にはマクロスケールの流れ場の予測と設計開発に応用するため,本研究ではマイクロスケールの流れ場を直接数値計算して統計的な諸量の評価とモデル化を行う.直交格子法と埋め込み境界法に基づく固気混相流解析は,直接数値計算で相互干渉を正確に評価するために自然と解析規模が大きくなる.さらに統計量を十分に発達した固気混相流解析で得るためには時間発展に多くの時間積分が必要になる.また気液二相流解析では,表面張力の効果を考慮して複雑な気液界面を正確に捉えるために空間格子幅に加えて時間刻みを十分に小さくせねばならず,スパコンによる大規模解析が必要となる.

今年度の成果

直交格子法と埋め込み境界法を応用して,高Mach数かつ低Reynolds数流れにおける多数の球周り流れにおいて,流れ場と粒子のエネルギーの授受過程を検討し,一次元で検討されたモデルと比較して三次元の形状の影響を踏まえた結果を得た.

またヒートパイプ内部の熱流動現象を捉えるため,保存形レベルセット法による気液二相流解析手法を開発し,三次元上昇気泡問題等の解析を行い,本手法の妥当性を検証した.

Annual Reoprt Figures for 2016

Fig.1:速度勾配テンソル第二不変量の等値面で可視化した多数微粒子周りの渦構造

 

Annual Reoprt Figures for 2016

Fig.2:粒子数の違いによるQ値の変化

 

Annual Reoprt Figures for 2016

Fig.3:三次元上昇気泡の解析結果

 

成果の公表

査読付論文

1) Nagata, T., Nonomura, T., Takahashi, S., Mizuno, Y., and Fukuda, K., 'Investigation on subsonic to supersonic Flow around a Sphere at Low Reynolds Number of between 50 and 300 by Direct Numerical Simulation,' Physics of Fluids, API Publishing, Vol. 28, No. 5, 056101, 2016.

口頭発表

1) Mizuno, Y., Takahashi, S., Nonomura, T., Nagata, T., Fukuda, K., 'Gas-particle flow simulation based on Compressible Flow Solver with Immersed Boundary Method', Parallel Computational Fluid Dynamics 2016, 2016.

2) Mizuno, Y., Takahashi, S., Nonomura, T., Nagata, T., Fukuda, K., 'Direct Numerical Simulation with Heat Transfer of Gas-Particle Flow containing Shock Waves by Immersed Boundary Method', International Conference on Multiphase Flow 2016, Firenze, Italy, May, 2016.

3) Nagata, T., Nonomura, T., Takahashi, S., Mizuno, Y., and Fukuda, K., 'Direct Numerical Simulation of Flow around a Rotating Sphere at High Mach and Low Reynolds Numbers Condition forsupersonic Gas-Particle Flow Analysis,' International Conference on Multiphase Flow 2016, Firenze, Italy, May, 2016.

4) Nagata, T., Nonomura, T., Takahashi, S., Mizuno, Y., and Fukuda, K., 'Investigation on Wake Vortex Structure of a Heated/Cooled Rotating Particle in Compressible Flows by Direct Numerical Simulation,' 7th International Conference on Vortex Flows and Vortex Models, Rostock, Germany, September, 2016.

計算情報

  • 並列化手法: プロセス並列,スレッド並列,ハイブリッド並列
  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 45, 92
  • プロセスあたりのスレッド数: 2, 2
  • 使用ノード数: 6
  • 1ケースあたりの経過時間(時間): 300, 410
  • 実行ケース数: 80, 20

利用量

 

総仮想利用経費(円): 3,422,103

 

内訳

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 仮想利用経費(円)
SORA-MA 1,414,653.05 2,196,801
SORA-PP 130,553.85 1,114,668
SORA-LM 0.00 0
SORA-TPP 0.00 0

 

SORA-FS ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 仮想利用経費(円)
/home 9.54 89
/data 9,765.63 92,119
/ltmp 1,953.13 18,423

 

J-SPACE アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 仮想利用経費(円)
J-SPACE 0.00 0

注記: 仮想利用経費=2016年度設備貸付費用の単価を用いて算出した場合の経費

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)


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所在地 〒182-8522 東京都
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