将来回転翼機の空力・静粛性能向上設計技術に関するCFD解析
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)
報告書番号: R25JDA201C21
利用分野: 航空技術
- 責任者: 保江かな子, 航空技術部門航空利用拡大イノベーションハブ
- 問い合せ先: 木村桂大(kimura.keita@jaxa.jp)
- メンバ: 梶原 史裕, 岸 祐希, 木村 桂大, 菅原 瑛明, 田辺 安忠
事業概要
ヘリコプターまたはeVTOLを含む将来型回転翼機の設計技術の高度化を目指し, 本年度は特に翼型設計に着目した解析を進めてきた. 機体ミッション(ホバリング, 前進飛行, 降下飛行etc)において消費パワーが小さい翼型を目指し, 翼周りの2次元CFDと最適化アルゴリズムを組み合わせることで, 最適な翼型設計を行うことを目指している.
今回は最適設計の前段階として, 翼型の空力テーブル(各マッハ数・迎角条件における揚力・抗力・モーメント係数をまとめたもの)を生成するツールを設計した. 特に回転翼機においては翼型が経験するマッハ数・迎角条件が非常に幅広い為, 特定の条件だけの評価では不十分な場合が多い. 空力テーブルとして整理することで, より設計に資するデータとして設計者にフィードバックすることが可能となる. 本報告書においては2次元翼型の解析例を掲載する.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
回転翼機設計を目的とした翼型性能解析においては, 幅広いマッハ数範囲+迎角範囲の性能データが要求されることになり, 検討に必要なケース数が非常に多くなる. 参考までに今回1つの空力テーブルを作成する為に必要なケース数は200程度であり, 今後様々な翼型を検討することを考慮すると, HPCの力が不可欠となる.
今年度の成果
図1には, 本研究において解析に使用した計算格子の外観を示す. 翼周りのO型格子と背景格子の重合格子系となっており, O型格子を回転させることで任意の迎角条件を作り, 合わせて流入風条件を変更することで, 各Mach数・迎角の空力を取得する. 今回は実施例としてNACA23012(タブ付き)の翼型を使用した.
図2では, CFD解析例としてM=0.5, 迎角α=-10, 0, 10degの圧力分布コンターを示した. 各条件における圧力分布+摩擦応力分布の時間平均値から空力性能(各種係数)を自動的に算出する.
図3には各CFDケースの結果を集積した空力テーブル(.C81形式)の可視化例として, 迎角-揚抗比のグラフを示した. 各マッハ数によってピーク値を取る迎角がシフトしていき, 特にM>0.6付近から性能が大きく劣化していく様子が確認できる.
成果の公表
-口頭発表
岸祐希, 木村桂大, "修正PARSEC法を用いた多用途ヘリコプタブレード翼型の多目的最適設計", 第63回飛行機シンポジウム, 1F09, 沖縄, 2025
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: 非該当
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 1
- 1ケースあたりの経過時間: 2 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.28
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
| 計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| TOKI-SORA | 827450.53 | 0.04 |
| TOKI-ST | 1919605.97 | 1.99 |
| TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-LM | 151.25 | 0.01 |
| TOKI-TST | 188489.59 | 3.08 |
| TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
| ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| /home | 1024.00 | 1.64 |
| /data及び/data2 | 102400.00 | 0.67 |
| /ssd | 30720.00 | 1.87 |
| アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 1.01 | 0.00 |
|---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
| 利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
|---|---|---|
| ISVソフトウェア(合計) | 56.38 | 0.04 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)



