翼周りの低Reynolds数流れに対する圧縮性効果の研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)
報告書番号: R25JACA49
利用分野: JSS大学共同利用
- 責任者: 野々村拓, 名古屋大学
- 問い合せ先: 野々村 拓(名古屋大学, 教授)(nonomura@nagoya-u.jp)
- メンバ: 野々村 拓, 永田 貴之, 重田 直賢, 佐藤 友理, 内田 天太良
事業概要
Reynolds数O(10^3)-O(10^4)の平板翼を含む対称翼型周りの圧縮性条件におけるlarge-eddy simulation (LES) を実施し, 層流剥離泡や乱流遷移に対する圧縮性の効果を明らかにする. 本研究で調査を行う低Reynolds数領域においては非圧縮性流れの場合は層流剥離泡の形成や乱流遷移など, 低Reynolds数の空力における重要な現象を含む. 本研究においてそれらに対する圧縮性の影響を精緻に調査することで, 火星航空機など低圧環境下で運用される流体機械の性能向上に資する知見を得る.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
本研究ではラージエディシミュレーションによるパラメトリックスタディを行うため, 大規模並列計算が必要となる.
今年度の成果
NACA0006, NACA0012, NACA0018翼型のレイノルズ数1.0×10^4でDNSを実施し, マッハ数, 翼厚, 迎え角が流れ場と空力特性に及ぼす影響を調査した. 昨年度計算を行った2.4×10^4の場合と同様に, マッハ数が高い場合に渦構造の形成や3次元化が遅れる傾向がある(図1, 2). また, 同条件での風洞試験結果との比較を行った. 図3はNACA0006および0018の揚力係数である. 特に薄翼の場合に, 風洞試験は数値計算よりも揚力係数を過小評価する傾向があると分かった. これは, 風洞試験では側壁に発達した境界層の影響がある一方で, 数値計算ではその影響を受けていないためと考えられる. レイノルズ数が低い本研究での条件ではその効果が特に大きいと考えられる. 特に, 層流剥離泡が形成される条件では風洞試験と数値計算との差異が大きいことが分かった.
成果の公表
-口頭発表
内田 天太良, 永田 貴之, 野々村 拓, 「低レイノルズ数圧縮条件のNACA翼型周りの流れ場の様相にマッハ数および迎角が及ぼす影響の壁解像LESによる評価」, 第57回流体力学講演会/第43回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム, 2B01, 東京(2025).
佐藤友理, 内田天太良, 永田貴之, 野々村拓, 「厚さの異なるNACA4字系統対称翼型周り圧縮性低レイノルズ数流れに対する数値解析および低密度風洞試験」, 流体力学会年会2025, 大阪(2025).
Uchida, T., Nagata, T., and Nonomura, T., "Wall-resolved LES evaluation of Mach number and angle of attack effects on the flow field around NACA airfoils at low Reynolds numbers under compressible conditions," 2026 AIAA SciTech, 1438, Florida, USA (2026).
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 44
- 1ケースあたりの経過時間: 150 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.28
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
| 計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| TOKI-SORA | 7241885.23 | 0.33 |
| TOKI-ST | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
| ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| /home | 1024.00 | 1.64 |
| /data及び/data2 | 102400.00 | 0.67 |
| /ssd | 0.00 | 0.00 |
| アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 17.95 | 0.05 |
|---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
| 利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
|---|---|---|
| ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)



