発達した乱流の大規模数値シミュレーション研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)
報告書番号: R25JACA05
利用分野: JSS大学共同利用
- 責任者: 後藤晋, 大阪大学
- 問い合せ先: 後藤晋(s.goto.es@osaka-u.ac.jp)
- メンバ: 遠藤 奎佑, 後藤 晋, 井上 隆介, 小井手 祐介, 加藤 一平, 彼末 侑也, 本告 遊太郎, 松元 智嗣, 増田 颯人, 中島 健太郎, 逢坂 望, 大久保 恵太, 塩山 魁秦, 鈴木 雅大, 寺井 歳三, 田中 健太朗, 渡邊 大記, 湯口 尚樹
事業概要
我々の身のまわりの流れのほとんどは乱流であり, その予測や制御はさまざまな分野で重要である. 幸い, スーパーコンピュータの能力の向上に伴い, 数値シミュレーションが可能な乱流のレイノルズ数は年々高くなってきたが, 航空宇宙工学で扱うような極めて高いレイノルズ数の乱流をモデル化なしにシミュレートすることは未だできない. そこで, 乱流の小スケールの統計や動力学の普遍性に基づいた「乱流モデル」の構築を目指した研究が古くから行われてきた. 本研究では, 種々の境界条件下の乱流の数値シミュレーションを通じて乱流の普遍性の起源を明らかにするとともに, 複雑な流体の乱流の維持機構も明らかにすることで新規の乱流モデルを構築する.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
航空宇宙工学に現れる流れの多くは, 高いレイノルズ数の発達した乱流であり, その動力学や統計の理解は, 宇宙科学研究所のさまざまなプロジェクトと直接に関わる. とくに, 本研究が目指す「新しい乱流モデルの構築」が成功すれば, 多くのプロジェクトの数値シミュレーション研究の基盤を支えるはずである.
今年度の成果
これまでの我々の一連の研究により, 乱流モデルの構築には, 乱流中の秩序渦の動力学を理解することが必須であることが明確になった. そこで今年度は, ニュートンの構成則に従わない非ニュートン流体の乱流の維持機構を明らかにすることを目的とした研究に, 力を入れて取り組んだ. 本研究では, 乱流の直接数値シミュレーションと高分子のブラウン動力学シミュレーションを用いて, 系統的に調べた. その結果, 高分子の緩和時間より短い旋回時間をもつ渦を, 高分子が低減させることを示した.
成果の公表
-査読付き論文
1. Satoshi Matsumoto, Masanobu Inubushi, Susumu Goto, Data-driven closure model for large-scale eddies in the energy-containing range of turbulence, in press.
2. Yutaro Motoori, Susumu Goto, Enhancement of wall-bounded turbulence by solid particles under gravity, Int. J. Heat Fluid Flow, 116 (2025) 109933.
3. Yutaro Motoori, Susumu Goto, Attenuation mechanism of wall-bounded turbulence by heavy finite-size particles, J. Fluid Mech., 1014 (2025) A30.
4. Daiki Watanabe, Susumu Goto, Convection cells in a partially filled horizontal rotating cylinder: Effect of an axial flow, Phys. Rev. Fluids, 10 (2025) 063902.
5. Yusuke Koide, Susumu Goto, Relationship between the power spectral density of the Lagrangian velocity and the hierarchy of coherent vortices in turbulence, Phys. Rev. Fluids, 10 (2025) 054609.
6. Awai Hideto, Yutaro Motoori, Susumu Goto, Attenuation of turbulence in a periodic cube by anisotropic solid particles, J. Fluid Mech., 1008 (2025) A6.
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 64 - 128
- 1ケースあたりの経過時間: 30 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.08
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
| 計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| TOKI-SORA | 926472.92 | 0.04 |
| TOKI-ST | 178223.23 | 0.18 |
| TOKI-GP | 196.57 | 0.00 |
| TOKI-XM | 6304.48 | 2.17 |
| TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
| ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| /home | 0.00 | 0.00 |
| /data及び/data2 | 51200.00 | 0.34 |
| /ssd | 0.00 | 0.00 |
| アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
|---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
| 利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
|---|---|---|
| ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)

